たっぷりの甘みとフレッシュな酸味のバランスが人気のハウスみかん「湘南の輝き」の初出荷が、大磯町生沢のＪＡ湘南大磯柑橘選果場で６月28日から始まった。今年は横浜や平塚など県内５つの市場へ送り、９月上旬までに約25トンの出荷量を見込んでいる。





　秋から冬にかけて旬を迎えるみかんは、古典落語の演目にもあるように夏場には珍しい存在。「湘南の輝き」は温室栽培によって、露地みかんより３カ月以上早く収穫できるようにした、ＪＡ湘南のブランドみかんだ。２００５年に商標登録されている。





　今年は大磯町と二宮町の生産農家５戸が、約78アールの農園で栽培。収穫時期を早めるために温室内を11月から暖房するとともに、木に与える水分量を抑えることで糖度12度以上の甘さを果実に蓄えた。さらに５月上旬から収穫までの期間は温室内に白い反射シートを敷き、満遍なく太陽光を当てることで食味よく仕上げるなど、手間暇をかけて栽培されている。高級感のある化粧箱に収められたみかんはこの時季の贈答用としても珍重され、毎年販売を心待ちにしているリピーターも多いという。





出来は上々





　初出荷には２戸の生産農家から約１・１トンのみかんが運び込まれ、選果場の職員が果実の大きさや傷の有無、色づき具合などを丁寧に確認しながらサイズ別に箱詰めしていった。





　この日、平均糖度13・９度、酸度０・８度という絶妙なバランスのみかんを持ち込んだＪＡ湘南ハウスみかん組合の土方徹組合長（47）は「温室で水分量はコントロールできるが、おいしいみかんを作るには日照と適切な温度も必要。今年は天候にも恵まれ、品質の良いものができた」と笑顔で太鼓判を押した。





　販売価格は化粧箱１・25kg入り２５５０円、２・５kg入り４７５０円、段ボール５kg入り８０００円（いずれも税込み）。平塚市寺田縄にあるＪＡ大型農産物直売所あさつゆ広場（【電話】０４６３・５９・８３０４）や、ＪＡの通販サイト「ＪＡタウン」などで取り扱っている。