東京2020オリンピックが今日開幕する。国立競技場の聖火台に聖火が灯る瞬間を特別な思いで見る人も多くいるだろう。神奈川県の聖火ランナーを務めた倉橋良一さん(59)=中井町=はその一人だ。「聖火ランナー1万人の任務を終える場面まで見届けたい」と心待ちにする。
倉橋さんは6月30日に横浜赤レンガ倉庫で行われた聖火の点火セレモニーに登場。「(新型コロナウイルスの影響で)公道を走れなかったのは残念だが、無事に聖火をつなぐことができた」と話す。
【手話でメッセージ】
聖火を受け渡すトーチキスの際の思い思いのポーズでは「コロナに打ち勝ち、つなごう 希望の光」というメッセージを手話で発信。町社会福祉協議会の手話サロンで指導してもらった。後続の聖火ランナーと一緒に披露したのは神社の拝礼作法「二礼二拍手一礼」。当日、倉橋さんが2つのポーズを提案し、前後のランナーが快く応じてくれた。点火セレモニーには、ユニフォームの下に母の遺影を忍ばせて臨み、妻とその両親を招待。「大役を務める元気な姿を母に見せ、親孝行ができた。私自身100%燃焼した」
【自然感じて日々精進】
中井町に生まれ育つ。神社例大祭で神輿の担ぎ手や式典の楽人、消防団員として地域活動に携わった。仕事以外の時間は趣味の野菜づくりに精を出す。「歳を重ねて中井町の豊かな自然の素晴らしさに気づいた。自然を守り、古き良き時代の思いを受け継げるよう精進したい」と日々の充実感が笑顔ににじむ。
聖火リレーに向け、本物と同じ重量で木材を用いてトーチに見立てたものを作り、走行練習をしていた倉橋さん。「五輪が1年延期になる中で選手のみなさんは懸命に努力を続けてきたと思う。全力を出し切ってほしい」
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