農具に感謝して五穀豊穣を祈念する「万鍬禮祭」(まんがれいさい)が、7月22日に大磯町の六所神社(柳田直継宮司)で催された。
万鍬は幅の広いフォークのような鉄の刃が付いた農具で、耕運機が普及するまでは田植え前の代搔きで使用されていた。かつては農作業がひと段落した7月中旬頃に村ごとに休日が出され、家々で春の農作業で使った農具をきれいに洗って土間に並べ、供え物をして感謝したという。万鍬に感謝する祭礼を行う神社は全国でも珍しく、柳田宮司は同社の御祭神・櫛稲田姫命(くしいなだひめのみこと)の出身地が、鉄器のふるさとと言われる奥出雲(島根県)であることとの関連性を推測している。
コロナ収束も祈念
今年は参列者の検温やマスク着用などの感染対策を徹底しながら実施。柳田宮司が今秋の豊作と新型コロナの収束を願う祝詞を奏上した後、宮総代や氏子総代、各地区の区長ら約60人の参列者の代表が祈りを込めて玉串奉奠を行った。祭礼後、柳田宮司は「今のように田んぼの面積が広がり食糧が増産できたのは、万鍬などの鉄器が普及したおかげ。昔の人々の苦労と思いをくんで、1500年以上の伝統があるこの祭礼を今後も守り継いでいきたい」と語った。
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