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大磯小でも道徳の教材に 故秋澤瞳さんの生き方を学ぶ

教育

公開:2021年10月1日

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生き方について児童に問いかけた
生き方について児童に問いかけた

 大磯小学校5年4組で9月14日、「生き続けるともしび」と題した道徳の授業が行われた。耳が聞こえない障害にくじけることなく努力を重ね、念願の海外留学が決まった矢先の2018年に21歳の若さで交通事故死した二宮町出身の秋澤瞳さん。その前向きな生き方を授業に取り入れる動きが、二宮町を起点に近隣にも広がりつつある。

 「今日は教科書を使いません。二宮町で実際にあった話をします」。授業の冒頭に学級担任の田島健博教諭(30)がそう切り出すと、教室にどよめきが広がった。ざわめきが落ち着くのを待ち、田島教諭が瞳さんの生涯について静かに語り出すと、児童らは真剣な表情で話に聞き入った。

 田島教諭は話の合間に「瞳さんはなぜ頑張れたのか」「瞳さんの人生をどう感じたか」と問いかけ、子どもたちが自身の考えをまとめて、発表し合う時間も設けた。「障害があってもなくても人はみんな同じ。努力するかしないかは自分次第」という瞳さんの母親の言葉に感銘を受けた児童らは「勇気をもらった」「自分も将来の夢に向かって頑張りたい」などと感想を話した。

身近な実話心に届け

 二宮町の小学校では今年、瞳さんを題材にした道徳の授業を2年ぶりに再開。これに周辺自治体の教育関係者らの間で賛同の動きが広がった。大磯小学校では授業でこの題材を扱う希望者を教員から募ったところ、田島教諭が真っ先に手を挙げた。事前に資料を読み込み、伝え方を考えたという田島教諭は「身近で起きた実話ということで、子どもたちも普段の授業よりも自分と重ね合わせながら一生懸命に何かを感じ、考え、気持ちを伝えてくれた」と手応えを感じた様子。子どもたちには「これからの人生で嫌なことや逃げたいことがあった時に今日の授業を思い出して、『もう少し頑張ってみようかな』と前向きに努力を重ねることができるようになってほしい」と期待する。

 青木弘校長は「道徳の授業は、その内容が子どもたちの心にどこまで届くのかが大切。教科書にも良いものがたくさんあるが、身近な題材のほうがより心に届くと思う。この題材を扱うにあたり、トップダウンで決めて指示するのではなく、教員自ら授業の目的や内容を考えてほしいと思っていたので、若手から手が挙がってうれしい」と語った。同校では授業の動画を教員で共有して、今後の参考にしていく。
 

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