相模湾の定置網にウミガメが脱出できる装置を取り付けてもらえるよう、大磯小学校PTA有志が中心となった「湘南ウミガメプロジェクト」が10月7日、県知事へ2万5352筆の署名を提出した。持続可能な漁業と海洋生物多様性の両立とともに、ウミガメが産卵に来られる海岸の環境保全推進を求めた。
署名を受け取った鈴木真由美環境農政局長は「自然環境を大切にしたいという気持ちと活動は大変ありがたい」と話した。県が漁業者の協力を得て、来年2月から平塚沖の定置網でウミガメ脱出装置の実証実験を行う計画を説明。脱出装置は魚も逃がしてしまう恐れがあるため、実験結果を基に装置を改良し、ウミガメ保護と水産業振興を図る方針を伝えた。面会には、県議会でウミガメ保護に取り組む池田東一郎議員が同席した。
署名提出の発端は今年6月、大磯の浜にウミガメの亡骸が漂着したこと。同PTA部会の「環境サポ」会員が、生物の死因調査をするボランティアの解剖に立ち会った。カメの胃に入っていた大量のプラスチックに驚いたが、「定置網にかかって溺死するウミガメが圧倒的に多い」と聞き、解決策を模索。脱出装置が開発中であることを知り、定置網に装着するための施策を県に講じてほしいと行動した。SNSで8月26日から10月4日まで署名を集めた。
環境サポは、海洋プラスチック問題など環境をテーマに4年生の総合学習を企画・実施。亀倉弘美PTA会長は「実証実験の行方を見守り、授業で子どもたちと実験を見学したい」と話す。
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