設立20年を迎えた葛川をきれいにする会の一員として活動を続ける 奈良 淑子さん 二宮町百合が丘在住 81歳
ごみにも「ありがとう」
○…「ごみを拾って川がきれいになるのがうれしくて」。2001年に設立された二宮町の「葛川をきれいにする会」が、11月で通算308回の清掃を行った。20年前から活動してきた最多参加の会員。「会が続いているのは、立ち上げた人もそうだが、参加者が少ない時期も黙々と清掃を続けた奈良さんたちがいるおかげ」と事務局の野谷悦さんはいう。『清掃活動20年記念誌』の表紙絵を描き、2ページに渡る特別寄稿も書いた。
○…定年退職後、町の広報を見て入会。「長靴を履いて川にじゃぶじゃぶ入るのは、大人だって楽しかったですよ」とほほ笑む。川の中のごみだけでなく、土手や道路にあるごみも気になり、陸の清掃を担当する。回収するごみ全体の量は減っても、ビニールごみは沢山。同会で富士山清掃に参加し、青木ヶ原樹海に入ったときは業者が岩場の隙間に投棄したと思われるごみを目にした。「ごみといっても元々は私たちがお世話になった物。『ご苦労さまでした。ありがとうございます』といって拾います」と考えを巡らせる。
○…美術大学で日本画を学び、片岡球子さんに指導を受けた。美術教師を経て結婚。転勤族の父が住まいを構えた二宮町に暮らして約50年。「仕事から帰ると、幼稚園のシスターが子どもに会いに来てくれていました。多くの方に助けてもらって感謝しています」。二宮西中学校の近くを流れる中村川にもお気に入りの場所があるという。
○…早朝から散歩に出る。友人に倣って、約1時間から1時間半かけてごみを拾いながら歩くのを習慣にする。「ごみを拾うのは勇気がいりますが、仲間がいると心強い。ごみを捨てる人が減ってくれれば」。グループ展に出展し、創作にも意欲を注ぐ毎日。
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