井ノ口東農道に桜を咲かせる会の会長を務める 尾上 孝さん 中井町井ノ口在住 75歳
後世に残す地域づくり
○…中井町井ノ口の住民有志による地道な桜の育成・保護運動が認められ、公益財団法人日本さくらの会から2021年度「さくら功労者」に表彰された。昨年12月、団体を代表して細田博之会長(衆議院議長)から表彰状を受け取った。「地域のみなさんと続けてきた10数年の活動が実を結んだ。新年を、受賞に続く二重の喜びをかみしめながら迎えることができた」と感激もひとしお。
○…井ノ口東農道1工区の完成を記念し、後世に桜を残そう。当時から携わる農道推進協議会で植樹を提案した。地元4自治会を通じてボランティアが集まり、2008年10月に井ノ口東農道に桜を咲かせる会が発足。農道沿いに日本さくらの会から提供された苗100本を植えた。会員45人が夏場の草刈りや秋の枝打ち、施肥などを行い、環境整備に努める。「苗木が盗まれ、根を傷つけられたことがあった。濃い色の花が咲く陽光という品種は病気にかかりやすく、管理に苦労した」。それでも「きれいな桜を見て喜んでもらえると活動の励みになる」と目尻を下げる。
○…中井町出身。家業の農業と酪農に勤しみ、自治会長や交通指導員、消防団分団長、町議会議員3期などを務めた。大規模災害に備えた連携づくりにと、中井町自衛隊協力会を設立した。「これからも地域を、我がふるさとをよくしたい」
○…30年前、町内第1号のセブンイレブンを開業。現在は2店舗を構え、息子に経営を任せているが、午前中は出勤する。午後から畑仕事。これが気分転換になる。「今も昔も休みなしは相変わらず」と意に介さない。「ほんの少しずつだけれども」、さくら功労者表彰賞品の大吟醸酒「さくらの女王」を会の仲間と一緒に味わえる日を楽しみにしている。
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