桜の保護や普及などに功績があった個人・団体を称える公益財団法人日本さくらの会の「さくら功労者」として、中井町の井ノ口東農道に桜を咲かせる会が表彰を受けた。地域住民が十数年にわたり、ボランティアで続けてきた里山の環境整備活動が評価された。
桜を咲かせる会は2008年10月に設立。井ノ口東農道1工区の完成を機に桜を植樹しようと、農道の元地権者や賛同者が集まった。翌年3月、約700mの農道沿いにさくらの会から寄贈された苗100本を植えた。
1年後の2010年から花が咲き、草刈りや肥培、剪定などをして桜を育成し、環境整備に努めてきた。会員数45人。
農作業などで扱いに慣れた会員が自前の草刈り機やチェーンソーを持ち出し、年3、4回の草刈りを行う。雨が多い年は草が伸びやすく、刈る回数が増える。「足元が不安定な斜面もあり、夏場の作業は汗びっしょり」と尾上孝会長=人物風土記で紹介=は話す。開花時期が少しずつ異なる3つの品種があり、「陽光」「染井吉野」「山桜」が里山の春を彩る。
新型コロナウイルスの影響により、一昨年は役員を中心に10人前後のメンバーだけで活動した。会員相互の交流をなくさないために、昨年は参加者同士の身体的距離を取るなど感染防止対策を徹底して作業にあたった。
コロナ禍で延期になっていた表彰式が、衆議院議長公邸で12月22日に行われた。尾上会長が出席し、細田博之会長(衆議院議長)から表彰状を受け取った。尾上会長は「地域をよくしたいという思いで活動を続けて桜が大きくなった。会のみなさんにお礼を言いたい」と喜ぶ。事務局の小清水清さんは「会員の協力のおかげでこのような賞をいただけたことはありがたい」と話した。
21年度のさくら功労者には、全国で12人と28団体が選ばれた。
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