大磯町消防団長を務める 土方 正美さん 大磯町虫窪在住 69歳
時代変わっても「地域守る」
○…1本部12分団からなる大磯町消防団の団長を今年度から務める。コロナ禍で会議や訓練もままならない状況が続いているが「各分団長には、今できる範囲でなるべく多くの訓練を重ねてほしいとお願いしている」という。団員の入れ替わりがある中で引継ぎが十分にできず、何もわからないまま現場に出てほしくない。「現場で資機材の使い方を思い出している暇はない。訓練を通じて行動を体に染み込ませてほしい」と期待する。
○…農家の長男として育った。田畑を継いで一時は農業に専念したが、31歳の時に知人の会社に就職して兼業に。県内で道路や下水工事に携わり、定年を迎えた今も大磯営業所長を務める。消防団には24歳から入団。過去には廃棄物集積場からの失火で3日3晩消火活動が続いたり、新幹線がストップしたこともあった。「携帯電話やコンビニもない時代。発災時は団員で声をかけ合ったり、炊き出しを用意した」と当時を振り返る。「時代が変わっても、協力して地域を守ろうという思いは同じ。多くの方に入団してほしい」と願う。自身も若い頃は血気にはやり、自分の安全を顧みずに行動して先輩にたしなめられたことがあった。それからは「冷静に、団員の安全を確保しながらの消防活動が大切」と心がけている。
○…20年ほど前に地元の仲間と神輿保存会、太鼓愛好会を発足。以来、子どもたちに和太鼓を教えて、地域の祭りなどで発表する機会を提供してきた。実は自身も太鼓未経験者だったため、初めの頃は子どもたちに交じって太鼓を習っていたという。コロナ禍で祭りの中止が続くが「ここで途切れさせたくはない」と収束を願う。孫が4人。しっかり働いて、晩酌とゆっくり湯船に浸かる瞬間が毎日の楽しみ。
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