小さく可憐な花が枝に絡みつくように密生して咲く姿が特徴の「大磯小桜」が、広がりを見せている。1月21日には希望者に苗木が寄贈され、高齢者施設や寺社、個人宅などに植えられた。
大磯小桜は、大磯町在住の齊藤廣昭さん(86)が20年以上前から育成に取り組んできた桜。大磯運動公園や星槎国際湘南大磯キャンパスの駐車場などに植樹されており、ソメイヨシノより前の3月中旬頃に花を咲かせる。2020年2月に「公益財団法人 日本花の会」により新たな園芸品種に認定された。
「この桜が地域に広がり、地元でもっと愛される桜になってほしい」と考えた齊藤さんが、昨年12月に本紙を通じて苗木を譲り受けたい人を募集したところ応募が殺到、用意していた15本の貰い手が一日で決まった。
21日に大磯運動公園で配布会が開かれ、応募者が齊藤さんから苗木を受け取った。齊藤さんは「皆さんにご応募頂き、お渡しできたことが心から嬉しい。花が咲く4〜5年後まで大切に育ててください」と笑顔であいさつした。大磯町月京の荒木広三さん(29)・睦さん(28)夫妻は、もうすぐ1歳になる娘・祥英ちゃんのために大磯小桜を自宅の庭に植えることを決めた。「子どもと一緒に元気に育ってほしい」と願いを込める。
西小磯の介護老人保健施設・大磯幸寿苑は、利用者が最も往来する通路からよく見える敷地内に大磯小桜を植えた。「コロナ禍で面会もリモートになり、2年近く家族と直接会えていない利用者も多い。職員も感染症対策などで心労がたまっており、みんなが少しでも明るい気持ちになれば」と苗木に応募したという。「みんなで手入れをしながら、花が咲く日を楽しみに待ちたい」と話している。
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