農具に感謝して秋の豊作を祈念する「万鍬禮祭」(まんがれいさい)が、7月20日に大磯町の六所神社(柳田直継宮司)で催された。=左写真
万鍬は木製の柄に幅の広いフォークのような鉄の刃を付けた農具で、耕運機が普及するまで田植え前の代搔きで活躍していた。万鍬に感謝する祭礼を行う神社は全国でも珍しく、柳田宮司は同社の主祭神・櫛稲田姫命(くしいなだひめのみこと)の出身地が「鉄づくり発祥の地」と言われる奥出雲(島根県)であることから「そのご縁で、この地にいち早く鉄製の農具が伝来し農地が広がったことから、万鍬に感謝する祭が始まったのでは」と推測する。今年の万鍬禮祭には宮総代や氏子総代、各地区の区長ら約60人が参列し、今秋の豊作とともに新型コロナウイルスの収束を祈念した。
また、この日は境内にある東側の池の島に鎮座する「ひぐるま弁天社」の例祭も催され、鯉の放生会が行われた。放生会は捕獲した生き物を自然に放つことで、命を尊び慈しむ気持ちを育む行事。六所神社では毎年11月の新嘗祭の際に境内の池に鯉を放流していたが、今回は「鯉が水に慣れてから冬を迎えられるように」とこの日に実施することにしたという。
放生会では、金や銀など鮮やかな色どりの鯉11匹が、参列者の手でそっと池に放された。
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