新たに開館した「茅ヶ崎市博物館」の館長に就任した 須藤 格さん 大磯町石神台在住 46歳
日常に溶け込む博物館に
○…茅ヶ崎市堤に7月に開館した「茅ヶ崎市博物館」の館長に就任。構想から足掛け9年-。休日も論文を読み込んだり、各地のミュージアムを巡ったりと、文字通り準備に奔走してきた。「美術館、図書館と並んで、茅ヶ崎の文化、教育を支える拠点となるのだから、当然プレッシャーはあります。でも、これから皆さんと一緒に新しい博物館をつくっていくんだという希望や期待感の方が大きい」と笑う。
○…商社勤めの父親の転勤に伴い、幼少期から仏・韓・英国など、数多くの海外暮らしを経験。「西欧では美術館や博物館が生活の中に溶け込んでいる。授業でも気軽に美術館を訪れて、本物の絵画の前で先生が解説したりして」。この原風景が博物館づくりの礎となっている。大学卒業後はメーカーの営業マンとして念願のヨーロッパ担当に。しかし、「現地のお客様に商品を届ける仕事なのに、なかなか顔が見えなくて。もっとリアルに人と向き合う仕事がしたい」と一念発起。茅ヶ崎市役所で学芸員として一歩を踏み出した。
○…茅ヶ崎市中海岸の「茅ヶ崎市文化資料館」では19年にわたり、市民や利用者と手を携えながら、文化財や郷土資料の調査をはじめ、保管や展示を担ってきた。「コロナの影響で閉館の挨拶ができず、心残りだったので、内覧会で2年ぶりに再会した利用者さんとは思わずハグしてしまいました。『このためにやってきたんだ』と。みなさんとの活動を新しい形にできたことがうれしい」
○…来館する小学生や小さな子連れの姿に目を細める。「目指していたのはこんな光景。専門知識を持つ人には物足りないかもしれないけれど、子どもも楽しめるように、とことん敷居を下げた。日常に溶け込む博物館になれば」
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