イノシシなどを寄せ付けない農地づくりに向け、専門家や地域住民と対策に取り組んでいる大磯町は13日、今年度の対策地区である虫窪と黒岩、西久保の住民らと虫窪老人憩の家で被害防止に向けた話し合いを行った。
町では、元近畿中国四国農業研究センターの井上雅央さん(68)を迎えた講習会を2015年度から開催。虫窪など3地区でも昨年6月から、営農家らが電気柵の正しい設置方法などについて実践と座学を通して知識を深めてきた。
最終回となったこの日は、県の鳥獣被害対策支援センターが昨年11月にドローンで撮影した画像を使い、地区に分かれて食害の発生地点やイノシシの侵入経路などを確認した。井上さんは、防風樹ややぶを刈り込んで見通しを良くし、イノシシの潜み場をなくす▽落下した果実や不要な収穫物などを放置しない、などの「鉄則」を再度呼び掛けた。
参加住民は、夜間しか電気柵に通電していなかったり、収穫後の畑から柵を外してしまったりする人がいることなど、改善すべき問題点を発表し合った。「地域ぐるみの意識改革が必要だ」「電気柵に使う乾電池の交換費用もばかにならない。町で補助してもらえないものか」など、今後の活動に向けた意見や要望も相次いだ。
井上さんは、罠を仕掛けて捕獲するよりも餌場の根絶が重要であると強調。「イノシシは食えないところには住めない。根気強い兵糧攻めを続ければ、イノシシは寄り付かなくなる」と言葉に力を込めた。
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