防災と減災への関心や一人一人が取り組む「自助」に対する意識を高めてもらおうと、東日本大震災の被災地から語り部を招いた講演会が二宮町で13日にあった。14日には設問ゲーム形式による防災ワークショップが町と内閣府の共催で開かれ、参加者が「当事者」の立場で災害時の行動や課題について考えた。
生涯学習センターラディアンで行われた講演会には、岩手県のNPO法人遠野まごころネット初代代表・佐藤正市さんが講師として登壇。東日本大震災が発生した当時、遠野市社会福祉協議会で事務局長を務めていた佐藤さんが、沿岸被災地の後方支援活動やボランティアの受け入れに携わった経験などを語った。
翌日のワークショップは、設問に「YES」か「NO」で答える防災教材「クロスロードゲーム」を用いて進められた。町がアンケートを送付した町民1500人の中から約30人が参加。「避難所で非常持ち出し袋を持っていないよその家族に自分の食料や水を分けるか」といった災害時に遭遇し得る場面で、自分自身がどのように行動するかを考えた。
「地震による津波が最短10分で到達する地域に住んでいる。近所に住む一人暮らしの高齢者を見に行くか」という設問では参加者の大半が「YES」と回答。「自分と家族の安全を確保してから見に行く」「行かないと後悔する」という意見が出た。「NO」と答えた参加者は「『津波てんでんこ』の考え。自分の身は自分で守るべき」「人の顔を見たら置き去りにして逃げることはできなくなる」などと理由をあげた。
地震工学が専門で、ワークショップを講評した神奈川大学の荏本孝久教授は「このゲームには正解がなく、実際の災害現場ではきれいごとだけを言っていられない。さまざな状況や最悪の場合を想定し、災害対策について考えてほしい」と呼び掛けた。
ワークショップに参加した20代の消防団員・川名義紀さんは「幅広い世代が集まって話し合うことができ、とてもよい勉強になりました」と話した。
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