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能・狂言の面(おもて)を40年以上打ち続け、大磯町で個展を開く 岩崎 久人(ひさと)さん 横浜市在住 72歳

公開:2018年3月16日

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能を知り、舞い、面を打つ

 ○…木彫教室で「能面らしき物」を作って展示したときのこと。「(制作者の)岩崎って誰だ」と尋ねる人物に会場近くの百貨店の美術品売り場へ連れて行かれると、能面があった。「45万円位で売っていて、これなら楽勝だ。自分もできる。そう思ったのが、そもそもの間違いだった」と含み笑いを浮かべる。

 ○…能面と言わず、能の面(おもて)。面打ちと称し、30歳手前から打ち続けた面は200以上。200数十番あるといわれる能の現行曲の多くでそれらの面が使われている。大磯町のギャラリーさざれ石で3月23日(金)から4月3日(火)まで個展を開催。翁や若女、孫次郎、般若、創作面の業平、大日如来の木彫、梵字の書などを展示する予定だ。

 ○…大分県出身。父は鍛冶。子ども時代は小刀を器用に扱い、チャンバラの木刀や竹トンボをこしらえた。「遊び道具を自分で作るしかなかったからね」。宝飾品の土台となる金属の飾りを作る仕事に就き、独立。晩酌をしながらテレビで薪能のニュースを見て、女面にひかれた。買うと高いから、自分で作る。電話帳で木彫教室を探し、彫刻家の望月秀晃さんの下へ。仏像や欄間などを専門にしていた師からは「自由にやれ」。独学で能面を打ち、デパートの能面に触発された「間違い」から研鑚が始まった。

 ○…「謡や仕舞の一つでも覚えたら」と勧められ、金春流シテ方の守屋与四巳さんに入門。舞う側にも立ち、「評論家よりも能を深く観ている」といわれるほど、多い時には年120番位を鑑賞した。1975年、「葵上」の公演で初めて自作の面が使われた時の感激は今でもよく覚えているという。「自分が打った面で能を観られるなんて、こんな贅沢なことはないよ」

 ○…自ら面を付け、能楽堂で「羽衣」「弱法師」「角田川」を舞ったこともある。面打ちとしては稀有な存在だ。古希を越えてなお、追い求める品と位を面に注ぎ込む。横浜で面の会主宰。

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