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再開発ビルが起工 政治
2018年5月12日号
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掲載号:2011年5月 7日号
3月11日に発生した東日本大震災。小田原から直接、被災地へ向かった企業・団体も数多い。被災地での活動と生の声をまとめた。
要介護者にお風呂新しい命に希望も
◆高齢者総合福祉施設潤生園(時田純理事長)
4月7日から宮城県石巻市に訪問入浴車と職員を派遣。避難所生活を送る要介護高齢者延べ150人に、入浴サービスを提供した。
時田理事長は知人から、現地で入浴ができず床ずれが問題となっているという情報を入手。「このままでは高齢者の命に関わる」と判断し、派遣を決定した。
訪問先は、要介護者らが集まる福祉避難所に指定されていた『遊楽館』。相次ぐ余震や停電、断水に見舞われサービスを提供できない日もあったが、全国から応援に駆けつけた医師や看護士らと協力し、入浴を介助した。また周辺の家を回り、在宅ケアの必要性などの聞き取り調査も行った。
「暖かいお湯に入り心身共に癒してほしかった。どのように言葉を返せばよいか戸惑ったが、心からの笑顔で声がけした」と話すのは、入浴介助にあたった池田和憲さん。中には震災後初めて入浴した人や「これで死んでも良いや」と嬉し涙を流した人もいたという。震災後に生まれた赤ちゃんの沐浴を手伝う機会もあり「新たな命に復興の希望が見えた様」と振り返った。
同園では1週間交代で第3次派遣まで実施。先月下旬に地元の介護事業者に引き継ぎ、現地を後にした。
記念事業を中止し被災地支援基金に
◆小田原北ロータリークラブ(鈴木悌介会長)
4月11日に、被災した福島県浪江町が町ごと避難している二本松市を訪れ、マスクや消毒液などの支援物資と支援金20万円を手渡した。現地の職員は「義援金は赤十字経由で時間がかかるが、支援金でなら役所の管轄ですぐにでも利用できるのでありがたい」と喜んでいたという。その後小名浜も訪れて自然の猛威を目の当たりに。訪れたメンバーは「支援は長期戦になると感じた」と話す。ゴールデンウィークには近隣ロータリークラブの協力を得て、NPO法人湘南ベルマーレクラブと連携。福島の小学生100人を湘南に招き、2泊3日で身体を動かしてもらうプログラムを実施する。また地区組織を通じて50万円の義援金も拠出している。
なお、同クラブでは4月に計画していたクラブ設立45周年事業を中止し、その予算と会員からの支援金を合わせて、被災地支援のために基金を設置。クラブ内に災害対策プロジェクトチームも立ち上げている。
おでんに託した子ども達の想い
◆小田原おでん有志の会
「小田原おでん会」の田代勇生会長、露木一郎らはおでんカーで一路福島へ。4月13・14日に相馬市に義援金と支援物資、小田原おでんを届けた。
義援金や支援物資は、震災の影響で中止を余儀なくされた「小田原おでんサミット2011」の代替イベントで来場者に呼びかけたもの。集まった義援金42万3645円は、相馬市財政課に手渡された。
小田原おでんの炊き出しは「小田原の子どもたちが100円募金を寄せてくれたので、避難所生活をしている福島の子どもたちにおでんを振舞いたい」と申し出て、2ヵ所で炊き出しが実現した。「温かい汁物にとても喜んでいただいた」(田代)、「帰り際にわざわざ見送ってくれ、労ってくれた」(露木)と、驚きと共に感動を体験した。
同会では秋にも現地での炊き出しを予定している。「支援はまだ始まったばかり」と長期的な支援を視野に入れている。
リフォームの知識活かして
◆(株)つくろいホーム(高村直行社長)
仲間内で救援物資を集めていたが、運ぶ手立てが無いという話を聞き、岩手県山田町まで高村社長が社員3人と運搬を買って出た。
避難している人から『飯食ったか?』と逆に心配され、現地のボランティアとの交流など、人の強さと優しさに触れたという。本職のリフォームの知識を活かし「家屋の改築や修繕など手伝えれば」と話した。