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医師・薬剤師が見た被災地【3】 「そこに患者さんがいるから...」 小田原薬剤師会 矢吹久美子さん

公開:2011年5月21日

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仕分け作業にあたる矢吹さん。後ろには大量の医薬品が整理されている
仕分け作業にあたる矢吹さん。後ろには大量の医薬品が整理されている

 「薬剤師としての仕事を普段通りしてきた」と話すのは、小田原薬剤師会の矢吹久美子さん(西湘薬局勤務)。神奈川県薬剤師会からの要請を受け3月24日〜28日と4月6日〜10日の2度に渡り、ボランティアとして被災地に入った。

 初めに訪れた場所は、宮城県仙台市。全国から大量に送られてくる医薬品の仕分け作業が主な活動だった。震災発生から2週間が経ち、ガスを除くライフラインは復旧し「必要な一般用医薬品も少しずつ揃い始めていた」という。2日目には津波で壊滅的な被害を受けた南三陸町に移動。町内最大規模の避難所『ベイサイドアリーナ』で、医師の指示のもと薬の調剤にも従事した。薬は一通り揃っていたが、処方箋通りにいかないものは同じ効用の薬で代用した。「高齢の方が多く、血圧を抑える常用薬や風邪薬を求める人が多かった」と振り返る。

 4月に派遣されたのは、原発から避難してきた人が多く身を寄せる福島県会津地方。すでに病院や診療所の多くは再開していたが、どっと押し寄せた避難者の数に対応しきれていなかった。医師・看護師・事務で形成される他県の医療チームに薬剤師がいなかったため、矢吹さんが参加。点在する避難所を巡回し、診療にあたった。患者と向き合う時「余計な事は聞かない。でもしっかり聞く耳を持って」笑顔で接するよう心がけたそうだ。感心したのは、情報共有の体制が整っていた点。「どこの避難所にどんな集団がいて、どういった問題が発生しているか」を確認しあうミーティングがあり、医療を提供する側も安心できたという。

 活動を終え「自分の役割を果たせたと思う反面、反省も沢山ある」と話す矢吹さん。「被災地だから…と特別な感情で行った訳ではない。ただそこに薬剤師としてやるべきことがあったから」。今後も必要とされれば、可能な限り現地に出向き支援を行うつもりだ。
 

彦根市立病院医療チームと(左端が矢吹さん)
彦根市立病院医療チームと(左端が矢吹さん)

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