震度5弱で保護者引き取り 市内小学校で災害時の対応マニュアルを見直し
東日本大震災を踏まえ小田原市ではこのほど、地震発生時に児童の安全を確保するための対応マニュアルが見直された。これまでは「大規模地震の際には保護者による引き取り」とされ、「大規模地震」の判断は各小学校に委ねられていた。今回の見直しにより、基準を「震度5弱以上」と明確化。また、津波警報が発令された際も、安全を確認後に保護者が引取りすることになる。海抜10m以下の7つの小学校と3つの中学校については、特に津波への警戒を呼びかけており、あらかじめ避難場所を決めるなどの対策を講じることとなった。
各校で対応にばらつき
3・11の教訓を生かし、避難訓練の実施も
東日本大震災の揺れは小田原市で震度5強を観測し、沿岸部に大津波警報が発令された。電話が繋がりにくくなり、帰宅困難者が続出する中、市内の小 学校には多くの児童が残っていた。3月11日の時点では「大規模地震」の判断は各校に委ねられており、対応にはばらつきがあった。
市内25の小学校のうち、地震の前に全員が下校を済ませていたのは9校。その中で一部児童が残っていた3校のうち1校ではそのまま下校、2校では職員が自宅まで引率した。
地区別の集団下校を実施したのは8校。このうち、沿岸部の生徒のみを保護者引取りとしたのは2校、集団下校の際に確実に保護者に引き渡したのは3校となっている。保護者に確認をとらなかった小学校の中には、沿岸部や海抜10・8mの小学校も含まれている。
児童を校内に残して保護者引取りを行ったのは10校(うち2校は沿岸部の児童のみ)。海抜10m以下の7つの小学校のうち6校が含まれている。中には最後 の引取りが午後11時30分になる小学校もあった。ほとんどの小学校が午後6時から7時を目安に、引き取りがなかった児童を、自宅に送り下校を完了させて いる。
沿岸部の小学校のうち3校では大津波警報が発令されると同時に、児童を最上階へ避難させた。酒匂小学校では津波到達予想時刻までは引き取りに来た保護者も3階に避難させている。
災害時の対応マニュアルの見直しに伴い、海抜10m以下の小学校では3階以上の最上階へ避難する対策が取られている。津波を想定した避難訓練をすでに実施 した小学校もあり、山王小学校の夏刈宏校長などは「今後は地域、自治会と連携をとって児童の安全を守りたい」と話している。
なお各小・中学校では、災害時の対応を保護者へ周知するためのチラシを、7月20日までに各家庭に配布している。
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