小中学校500件の通知表誤記入を受け、再発防止策を探ってきた小田原市の通知表事故調査委員会(野中陽一委員長=横浜国立大学教育人間科学部附属教育デザインセンター准教授)は20日、会議の内容をまとめた報告書を発表した。
委員会は、市内小中学校の校長、教頭、担任など12人の調査委員と教育委員、事務局(小田原市)で構成され昨年11月から12月に計3回の委員会を開いた。
委員会ではチェック体制が機能しなかったことやパソコンの入力ミスなどが誤記入の主な原因と分析。委員会が作成したチェックシートを活用して入力者以外の人間が必ず確認する体制づくりと、通知表作成のための時間の確保を防止策に挙げている。
また、信頼回復のためには通知表の記載内容についてこれまで以上に説明責任を果たす必要があるとし、保護者や児童、生徒が通知表の内容に対して質問や問合わせができる「通知表相談日」を設けることも報告書に盛り込んでいる。
通知表作成に使用している非効率なソフトウェアに替わる新しいシステムの導入の検討は、今後の課題とした。
教育委員会は2月2日に臨時の校長会を開いて説明を行い、今回取りまとめたミス防止策を今年度後期の通知表作成から実施する。