5月13日告示、20日投開票で実施される小田原市長選挙。これまでに市議会議員の大野眞一氏(70)と現職の加藤憲一氏(47)の2氏が記者会見を開き、立候補を表明している。市議7期の経験豊富なベテラン市議と2期目をめざす若き現職がそれぞれの決意と政策などを訴えた(表明順)。
大野眞一氏(新人)「停滞から飛躍へ」
市議会議員の大野眞一氏は1月27日、記者クラブと地方紙記者向けにそれぞれ会見を行い、出馬を表明した。大野氏は通算7期の議員活動を振り返り「決断と行動力で、停滞する行政をスピード感あふれる行政に飛躍させる」と市長選出馬の意欲を語った。
記者会見の席で大野氏は、個人・法人それぞれの市民税10%減税と市長報酬の50%カット、市長の退職金約2100万円の廃止などの基本政策を発表した。また、現在検討されている市民ホールについては県と共同で「県西ホール」とし、お城通り地区再開発予定地に建設、小田原駅東口の地下街は廃止する意向を話した。
大野氏は小田原の歴史文化を活用したまちづくりにも触れ、城下町・小田原にふさわしい景観復元の第一歩として、市民ホール予定地を大手門広場として整備、天守閣の木造復元のための基金創設などをあげた。さらに昨年の東日本大震災を教訓に、自治会活動の活性化と防災機能の充実強化にも力をいれていくことなどを表明、これらの政策を3年間で実現させるとした。
この他に長期的な施策についても独自のプランを発表。「責任ある決断と無駄のない実行でスピード感ある市政の実現」を約束した。
加藤憲一氏(現職)「チ ェ ン ジ 継 続 中」
現職の加藤憲一氏の陣営が記者会見を開いたのは今月2日。記者クラブと地方紙記者向けの2会場を設けて、立候補を表明した。4年前の選挙で「チェンジ」を掲げて当選した加藤氏は「『何も変わっていない』と言われていることを、重要なことと受け止めている」として「今までは誰かが形あるものをつくることが、変わることだった。これから大事なことは市民が主体となり、課題を解決する、持続可能な仕組みをつくること。他人任せ、傍観者から当事者へ。市民・地域としての問題解決能力の向上が変化だ」と意識の変化の重要性を強く訴えた。
2期目に臨む政策には「オール小田原のマニフェストである新総合計画の完遂」「最大の地域ブランドとなりえる安心して暮らせるまちの形成」「地域資源の活用など地域経済活性化の強力な推進」「地域内分権の完成」などを掲げた。
また、これまでの取り組みを農作業になぞらえ「4年間で荒地を起こし、土作りをし、種をまき、苗を植える作業は終わりつつある。次は花を咲かせ、実を稔らせる。『新しい小田原』で震災後の日本の未来を照らしたい」と選挙への決意を表明した。
新たなマニフェストを4月中に示すことも明らかにした。