〜停滞から飛躍へ【2】〜 寄 稿 ヒルトン売却騒動の7不思議 大野しんいち
いま、小田原市民の大きな関心事は、ヒルトン騒動だ。私は、一連の動きの中で7つの疑問を持った。
1、家賃3か月棒引き
約1億2千万円の怪
これは、9月の議案として議決された。疑問を持って反対したのは私を含め8人だけであった。このとき、震災の影響で苦しい経営を強いられたのはヒルトンだけではない。観光に関連した産業は全てといっても過言ではない。公平を期すなら、他の業者の固定資産税を減免するのが筋であるが、ヒルトンだけ恩恵を受けた。
2、9月に免除、
年内に買い取りの怪
経営難から家賃の免除を受けたヒルトンが、まだ湯気も冷めやらぬ11月に売却合意するという不可解な議案が12月議会に上程された。「家賃の免除は何だったのか。」誰もが感じた疑問だ。
3、たった9億円で
売却の怪
売却しようとした土地建物の固定資産税評価額は約130億円であると当局は言っている。
不動産の資産価値は、課税評価額以上というのが通り相場である。なぜ9億円なのか。神秘を通り越した不可解な価格である。
4、改修費が
21億円余の怪
建物老朽化に伴う改修費が今後5年で約21億5千万円必要との理由をあげたが、眉唾ものである。空調設備の新調が最大の経費だが、いまどき、一流のホテルでも設備は補修して使える限り使うというのが普通である。
5、不動産鑑定
わずか一社の怪
自治体が高額な不動産を購入または売却しようとするとき、複数の鑑定会社から鑑定を取り、実勢価格に近づけるというのが常識である。たったの一社の鑑定というのでは恣意的に行われたと疑われても仕方がない。しかも家賃減免の意見書と一緒に依頼している。まさに不可解。
6、違約金2億5千万円を
市が国へ支払う怪
普通、市が国に支払う違約金は売却価格に上乗せする。上乗せどころか家賃の免除で実質的な値引きをしている。違約金を払ってまで売り急がなければならない理由があったのであろうか。
7、禁止事項があれば
大丈夫の怪
譲渡契約に違約罰則条項を設けても小田原ヒルトンが営業を続ける保証はどこにもないということである。担保としてその資産を手に入れた企業には、何の拘束も及ばない。世の中にはよくあることと済ましてはいられない。その資産は元来、雇用保険掛け金という国民の血税と同じであることを忘れてはならない。
この7つの疑問はヒルトンへの売却に関する主なものであり、他にあげればきりがない。まさにヒルトン騒動は「藪を突けば蛇」といった観がある。
この議案が上程されたとき、私は総務常任委員会の委員長であった。委員会で徹底的に追求しようと腹を固めた。そのとき、議案は取り下げられた。結論を出せないまま議会は終了したが、最大の謎は「市民とともに」を理念とする加藤市政がこの問題に関し、市民への何の説明を行っていないことである。
市民は売却の本当の理由を知りたいはずだ。取り下げもヒルトン側の要請でと説明されている。もし、この契約が成立していれば、小田原ヒルトンは、課税評価格と購入額の差、約121億円に対する贈与税を国に支払うことを知らないわけがない。支払えば、121億円を贈与したとの非難が市長に集中するに違いない。
市議会の議決でそ知らぬ顔ができるとでも思ったか。謎は深まる。疑問が解消しなければ売却してはならない。
|
|
|
|
|
|
盛徳寺 個別供養墓を受付中最大4霊まで納骨することができる個別式の供養墓 https://seitokuji.net/%e5%80%8b%e5%88%a5%e4%be%9b%e9%a4%8a%e5%a2%93/ |
<PR>