小田原版 掲載号:2012年3月31日号

児童の交通安全を願った「無事かえる」を贈り続けて30年を迎える

市川 勝利さん

市内中里在住 68歳

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カエルにのせた永き想い

 ○…「”あっ”と言う間だったね」と30年という月日を想い返した。滋賀県に足を運び、信楽焼の陶器で誕生した「無事かえる」。当初、児童の筆箱に入れておく御守だったカエルは「子どもたちのより近くに、より使いやすく」との想いから紐が付き、鈴が付き試行錯誤を経て、今の形となった。今まで児童らに贈られたカエルは優に3千匹を超える。

 ○…実家の石材店を継ぐ3代目。仕入れの関係で海外へも度々足を運び、仕事に精を出す毎日に突然の異変が起きた数年前。緑内障を発症し、徐々に視力が低下していった。「『明日の朝、目覚めた時に目が見えなくなっていたら』と考えると眠るのが恐かった」と発症当時を振り返る。65歳で完全に光を失った。そんな苦しい時期を支えてくれたのが家族。今では「なってしまったものは仕方ない。現実を受け入れないと」と下を向くことのない前向きで力強い言葉が返ってきた。

 ○…「とにかくスポーツが好きなんだよ」と声を弾ませる。少年野球チーム小田原ベアーズや母校の相洋高校の相撲部と野球部の後援会を立ち上げた一人でもあり、後援会の役員として20年以上、後輩達の面倒を見てきた。「今でも野球と母校の話しになるとついつい熱くなってしまう」と照れ笑い。仕事場には今でも野球部の活躍が掲載された何十年も前の新聞紙面が大切に飾られている。

 ○…緑内症発症後も決して内に籠ることなく、年に一度の京都旅行など積極的に外に出る。香りや周りの雰囲気で何でも楽しむことができるという。「いつでも手を差し伸べてくれる家族や友人には本当に感謝している。特に目となり、手足となってくれる妻には頭が上がらない」と本音をチラリ。「この齢になって、人前で堂々と手を繋いで歩けることは嬉しいことかなぁ」と、冗談交じりに少しはにかんだ。その笑顔の奥からは、これからも決して揺らぐことのない夫婦愛と児童を想う優しさが覗いた。
 

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