小田原版 掲載号:2012年8月25日号

ボランティアで手作り紙芝居を上演している

古谷 正子さん

市内国府津在住 72歳

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心をこめて紡ぐ想い

 ○…何気なく見ていた新聞のきれいな色刷りの広告ページで「絵本でも作りたいなぁ」と思ったのが、紙芝居作りのきっかけだそうだ。絵本には文字が入る。文字を入れると絵が死んでしまう。行きついたのが紙芝居という形態。題材は、昔の生活を描いたものや昆虫が成長する過程など身近なものが多く、1つの作品が、早ければ1カ月ほどで完成するという。

 ○…ボランティアで紙芝居上演を始めたのは3年程前から。児童から高齢者まで老若男女の観客に「楽しかった」と喜んでもらえることが原動力になっている。昨年6月に完成した作品「いのち」は保育園での初上演以来、戦争体験を語り継ぐことを望む声が聞こえるように。「戦後のひもじさを思えば、今は物も人も豊かになった。でも思いやりだとか命の大切さなどが失われた気がしてならなくて」。過ぎる時代を見つめてきた眼差しは、穏やかだがどこか寂しげでもある。

 ○…46年間、保育士として勤め上げた。運動会の思い出を描いた男の子の絵が印象に残る。画用紙いっぱいに描かれたいくつもの太陽。その日はとても暑かった。彼はその暑さを、太陽を沢山描くことで表現してみせた。「太陽は1つしかないのよ、なんて口出しをしなくて良かったと思ってね」。子どもの感性やエネルギーから元気をもらうことが多かった。今でも教え子との交流は続いており、3代にわたって通園した人も。年賀状のやりとりなどで続く交流は、大切な絆だ。

 ○…楽しみは湯河原の陶芸教室で過ごすひととき。みかん畑の一隅で、時間を気にせず創作に没頭できる。そんな息抜きもしながら、紙芝居作りは「ライフワークとして続けていきたい」そう。夫が脳梗そくで倒れるまでは、北アルプスや富士山、丹沢などにもよく一緒に登ったそうだ。往時に撮った山々の写真に囲まれながら、まだまだ尽きない作品を、これからも紡いでいく。
 

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