震災「忘れない」現地で誓う 城南中生徒らが被災地を訪問
小田原の中学生が夏休みを利用し、東日本大震災の被災地を訪れた。震災被害の現場を目の前に、子どもたちは改めて震災を「忘れない」と心に誓っていた。
被災地を訪れたのは早川、大窪地区の城南中生徒28人と保護者らの計41人。両地区の青少年健全育成連絡協議会が作るふれあい活動実行委員会が企画した。同委員会は地区内の子どもたちに様々な体験を通じてコミュニケーションを深めてもらおうと、毎年夏休みに富士登山やキャンプ等を行っている。今年は被災地で支援経験のある委員の協力で被災地視察が実現した。
子どもたちはまずバスで宮城県気仙沼市を訪問。港などを回った後、復興商店街で買い物。また震災当時避難所に使われていた神社の社務所を片付け、宿泊させてもらった。41人でも狭い社務所に140人以上が寝泊りしていた当時の話を聞き生徒らは「想像を絶する」「信じられない」と驚きの声をあげていた。
気仙沼では出発前に学校で集めた義援金9万円を、地元青年会が運営する子どもたちのための集会所「カドッコ」=写真=に寄付した。翌日は石巻市、南三陸町を訪問。地元住民から避難生活の様子や復興に向けた現在の動き等を見聞きした。
子どもたちは小田原へ向う車中で「大変な状況がよくわかった」「忘れてはいけないと痛感した」など感想を話しあい、コミュニケーションや日頃の備えの大切さなど今後の課題も共有した。視察の様子は、参加者全員の文集などで地域や学校に報告する予定。