「まいど扇町」を運営する扇町商工振興会会長 岩瀬 勇人さん (有)岩瀬シート店代表取締役 50歳
扇町愛で走り出す
○…「ここに来たら知っている顔がいる。そういうコミュニティの場になれば」。そんな想いから昨年9月に開店した、惣菜と弁当の店「まいど扇町」。商店街の中で集めた食材を使い、地元主婦らが腕を振るう。先月、町内で行われた祭りは、市商店街連合会との共催効果もあり老若男女で賑わった。地元住民とともに地域外の人も多かったと顔をほころばす。美味しい名水と評判の足下地蔵尊の水も扇町PRのきっかけにしたい、と地域の資源活用にも意欲をみせる。
○…「アツくなるのは格好悪い」とひいた目で見ていた若い頃。扇町商工振興会青年会への参加などをきっかけに、この10年程でまちに愛着を感じるように。今では会長職とまいど扇町、さらには自分の店も切り盛り。「大変ですよ、もともとリーダータイプじゃないし」と謙遜するが、気の置けない仲間たちとまちの活性化について熱く語る時間が大好き、と目を輝かす。失敗を恐れずに「走りださなきゃ始まらない」という言葉は、変わり始めた商店街の勢いを表すようだ。
○…「向こう見ず」だった幼少時。後先考えない行動で失敗の連続だった。豪気なタイプかと思いきや、続くのは意外にも「女々しいんですよ」の言葉。父から継いだ家業でも、煮詰まるとよく「親父だったら」と考えて自問自答を繰り返してきた。正解かどうか分からなくても「最善」を探してもがき続ける、真面目さが見え隠れする。
○…仕事場では職人らしくラジオが流れる。お気に入りはニッポン放送。「人生相談のコーナーになると音を大きくして聴いちゃうんです」。ラジオに向かって突っ込むこともしばしばだそう。こんな「おやじ」的な面がある一方で「お子さまメニューが好物だよね」と傍らの奥さんから声が飛んだ。まいど扇町のお弁当を食べるようになってからだいぶ好き嫌いは減ったんですよ、とどこまでも扇町を愛する。
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