相馬ブランド確立めざし 小田原で復興の足がかり探る
東日本大震災直後から、被災地・福島県相馬市で活動する「NPO法人相馬はらがま朝市クラブ」の高橋永真理事長。3月27日と28日に、復興へ向けた水産加工食品の実現をめざし、小田原を訪れた。
はらがま朝市クラブは、震災直後に発足。被災者の雇用確保を目指した朝市の開催や、被災者と支援者を結ぶイベント活動を行ってきた。高橋さんは小田原からの震災ボランティアとの交流がきっかけで、これまでに何度も小田原を訪れている。今回は相馬ブランドの蒲鉾生産を実現するため、鈴廣かまぼこ(株)(鈴木博晶社長)を訪ねた。小田原訪問時に野菜が練りこまれたさつま揚げを食べ、相馬にはない商品、と面白みを感じたという。高橋さんは「出来上がったものをただ売るだけではつまらない。原料のベースを買い、相馬で加工して相馬ブランドを作りたい」と意欲をみせた。
被災地・相馬の現状
相馬の漁業は放射能汚染の影響で、月に2回の試験操業以外は機能していない状態。小田原から支援された梅干しや柚子を使った松前漬は発売当初、月に5〜6tの出荷があったが現在は500kgほどに減った。高橋さんは「『被災者(が作ったもの)だから』売れる、という時期は終わった」と、被災地の置かれた厳しい現状をにじませた。だが、「品質の良いものを作れば残っていける」と前向きな姿勢をみせる。
「働く場と働き手、買い手がうまくかみ合わない状態が続いているが、人に頼っていては復興は成し遂げられない」と、高橋さんは生活再建の道を探っている。