深まる日本への関心 報徳博物館に留学生
市内南町の報徳博物館に、昨年12月から今年6月まで、中国から王蕾(おう・らい)さんが訪れている。王さんは湖北省の小さな農村の出身で、北京の大学院で日本語と日本文化を学ぶ25歳。日本へ留学する村民は初めてとあって、地元ではニュースになっているという。「中国は都市部と農村で、経済的な格差が大きい。そんな中、両親は教育に力を注いでくれました」と感謝する。
日本に興味を持ったきっかけは、高校時代に観たアニメ「犬夜叉」だった。「自分が知らなかった世界に出会いました。日本語の発音の響きがきれいで、惹かれました」と振り返る。修士論文のテーマは「報徳思想における公共性」。中国社会で報徳思想は生かすことができるのかを探究する。「日本は震災から2年たった今でも、支援を続けている。中国は様々な問題を抱えているが、良くなってほしい」。
活発な王さんは留学期間を利用して、沖縄や京都、奈良など、日本各地に足を運んだ。残り1カ月、東北やディズニーランドへ行ってみたいという。「やりたいことがたくさん。日本の大学の授業を受け、学生さんが中国に対してどんな思いを抱いているかも聞いてみたい」。関心は深まるばかりのようだ。
報徳博物館では毎月第4日曜日に、王さんを囲み「中国を知ろう会」を行っている。問合せは同館【電話】0465・23・1151。