柔道団体 2強下し相洋初V 中高一貫指導実る
相洋高校柔道部(菅原信明顧問)が、5月3日に県立武道館で行われた関東大会県予選男子団体の部で初優勝した。神奈川県で桐蔭学園・東海大相模の2校以外が優勝したのは1985年の藤嶺藤沢以来28年ぶりの快挙だった。
同校は4月27日に行われた個人の部でも、吉田大翔(ひろと)君(3年)が優勝、二見省吾君(2年)が準優勝。上位2人までの県代表の座を独占し、関東大会への出場を決めた。
団体戦のメンバーは小宮駿平君(3年)、吉田君、二見君、込山龍哉君(2年)、関野晴矢君(2年)、間瀬勇希君(2年)の6人。全員が中高一貫コースの所属で、中学時代から菅原顧問のもとで稽古に励んできた。シードで臨み、2回戦から準々決勝まで5―0で勝ち続ける圧倒的な強さを見せつけた。準決勝の東海大相模戦では1―1の引き分けの末、代表戦で勝利。決勝では桐蔭学園を2―1で下し、初優勝をもぎ取った。
関東大会への抱負を、メンバーは口を揃えて「もちろん優勝」と闘志を燃やす。キャプテンを務める小宮君は「全員が同じ気持ち。出るからには1番を狙う」と意気込みを語った。
関東大会は6月1日(土)、2日(日)に山梨県甲府市小瀬スポーツ公園武道館で開催される。
次の目標は「関東V」
個人戦は無差別。4ブロックでトーナメントを行い、各ブロックの優勝者4人でリーグを戦った。吉田君はトーナメントでは「リーグに上がることだけを考えた」と5試合で勝ち星。同じくトーナメントを勝ち上がった二見君とリーグ初戦で対戦した。「コンディションが上がっていた」という二見君と吉田君は互角の戦いをみせるが、終盤、吉田君が胸を合わせて足をはらう「払い腰」で1本勝ち。東海大相模・桐蔭学園の選手にも勝利し3勝をあげ優勝を決めた。自身初優勝を飾った吉田君は「決勝リーグは強さがグンと上がり、スタミナが切れたが気合いで乗り切った。とにかく嬉しい」と笑顔。二見君も残りの2試合を開始1分で1本勝ちし準優勝を果たした。
関東大会に向け二見君は「優勝を目指す」と話し、吉田君は「相洋の2人で1、2位を狙いたい」と意気込みを語った。
双璧崩し初の栄冠
続く団体戦、準決勝の東海大相模戦では先鋒の込山君が大会3日前のけがが影響し敗戦。「思いきりできなかった」と悔しさを滲ませる。続く次鋒・関野君、中堅・間瀬君、副将・吉田君は引き分け、大将戦に臨んだ二見君は後がない状況のなか、ラスト30秒で背負い投げを決め、技ありで勝利。土壇場で1−1に追いついた。
代表戦は個人戦で優勝を果たした吉田君に託された。実力が拮抗し、3分間の試合では決着がつかずゴールデンスコア(延長戦)へ。一瞬の隙をつき、払い腰で技ありを取り、2強の一角を撃破した。
決勝は桐蔭学園。中堅の間瀬君が敗戦を喫し0−1の劣勢から、副将・吉田君が払い腰で1本勝ち。大将・二見君も冷静に戦い、内また返しと払い腰を決め、技あり2回で合わせ技の1本勝ち。強豪を下し悲願の初優勝をつかみ取った。準々決勝まで二見君に代わって大将を務めた小宮君は「温存していた二見がきっちり勝ってくれた。感謝している」と振り返った。
優勝の瞬間、全員で力強くガッツポーズ。菅原顧問を胴上げして喜びを分かち合った。菅原顧問は一言「よくやった」と声をつまらせたという。「初めてほめてもらえた」(小宮君)。「関東でも優勝して、また菅原先生を胴上げしたい」と選手たちは決意を新たにした。
個人で県代表の座を独占した吉田君(左)と二見君
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