葵紋の瓦が多数出土 御用米曲輪の掘削調査
史跡整備に伴う掘削調査を行っている小田原城跡の御用米曲輪で、「三つ葉葵文」のついた軒丸瓦が見つかったと市が発表した。
見つかった瓦は80点(5月28日現在)。そのうち77点が1号遺構の中から発見された。出土する場所は江戸城や徳川御三家屋敷、幕府用地などに限られており、今までこれほどの量が出土した事例はないという。御用米曲輪は江戸幕府御用米などを備蓄する蔵があった場所で、瓦が使用されていた可能性は高い。市文化財課の佐々木健策さんは「伊豆などからの、幕府御用米が集まる特別な場所だったのでは」と推測する。
瓦が発見された穴は、同時に出土した陶磁器などから明治時代以降の遺構とみられる。1870年の廃城後、本丸や御用米曲輪を含む二の丸が皇室の御用邸として使われており、整備にともない発生したがれきを捨てた遺構である可能性もあるという。
なお曲輪の整備事業は2018年度を目標に行われ、その後は史跡公園として一般開放される予定。