子どもに走る環境を 小田原こうめクラブ
陸上練習クラブ「小田原こうめクラブ」は、子どもたちの運動する環境の面倒を見たい、そんな親心から生まれた。学校のクラブ活動とは違う、遊びの延長のような地域の取り組みが、子どもたちとスポーツの新たな扉を開いている。
クラブは代表の柏木知広さんと幼馴染の青木隆司さんが「今の子どもたちは外で遊ぶ環境もない。ならば作ってしまおう」と、2009年に立ち上げた。最初は、2人の子どもや近所の子ら8人ほどで始まった。活動場所がなく、城山陸上競技場の開放日や二の丸広場で練習をしていた。「子どものための非営利活動」という方針を聞き、共感した友人らがスポンサーとなり、試合用のユニフォームや揃いのTシャツなどを用意してくれた。大会が終わる度に「Tシャツを見た」などと声を掛けられ、だんだんと人数は膨れ上がっていった。近所で始めたトレーニングはいつしか、市内中から参加希望者が集まり、現在は112人が所属している。
陸上の練習といっても、走り込みを徹底的にやるのではない。「大きくなってどのスポーツを始めても基本ができているように」と姿勢やフォーム、体幹トレーニングを中心に行う。柏木代表は「スペシャリストを育てるわけではない。運動の苦手な子が、好きになってくれたら嬉しい。だから自由参加の形をとっている」と話す。
子どもや保護者からの評判も良く「運動会がより盛り上がる」「友達がたくさん増えた」などの声があがる。発足当時から顧問を務め、現在は市議の神永四郎さんは2人の恩師でもある。神永さんは「地域社会の中で子どもを育てる理想の形」と教え子の成長に目を細める。柏木代表は「子どもの『やりたい』という思いがある限り、寄り添い続けていきたい」、青木さんは「いつか巣立っていった子が指導者になってくれたら嬉しい」と話す。
問合せは柏木代表【携帯電話】090・3043・2645/青木さん【携帯電話】090・3909・7387まで。
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