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第12回かながわシニア美術展日本画の部で県知事賞を受賞した 夏目 日出男さん 市内浜町在住 70歳

公開:2013年9月28日

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筆に宿る 安らかな心

 ○…「絵はその人の人生を語る」。尊敬する亡き恩師、上垣候鳥(うえがきこうちょう)氏の言葉を大切そうに噛みしめる。日本画を始めたのは31年前。繊細な一本の線で表現する高い精神性に惹かれた。絵の具を塗り重ね、発色を微妙に調整するのも面白い。「まさに、生きた線。気持ちや雰囲気が表現される、技量を超えたものを描きたい」。その集中力は凄まじく、時には這って歩くほど疲労するという。

 ○…振り返ると「ありがたい人生」と感謝する。6人兄弟の4番目に生まれ、2人の子どもに恵まれた。「子育ては一生忘れられない財産」と、忙しい中でも家族を第一に想ってきた。孫の学校行事にも、家族全員で足を運ぶ。舞台を見にいくと、ついつい一緒になって踊ってしまうのだとか。「お祭り好き」と笑う、漁師町ならではの明るく人情深い人柄が、周囲を魅了する。息子のお嫁さんから「一緒に暮らそうよ」と声をかけられ、今夏から長男家族との同居をスタート。にぎやかな毎日がうれしくて仕方ない様子だ。

 ○…「どんな仕事でも一生懸命に」を心に、70歳まで働き続けてきた。会社を退職し、病気を乗り越えた今、さまざまな画風に挑戦したいと意気込む。「この歳になったからできる。人間には『時期』があるのだと思う」と前向きだ。パターンが決まるのが好きではなく、常に変化を求める。いつか描きたいのが「寒立馬(かんだちめ)」。青森・下北半島の吹雪の中に立つ姿は、「命そのもの」と感じている。

 ○…旅先や日常の風景の中で、気に入った場所を見つけてはスケッチに没頭する。何度も足を運び、イメージを確認することも。今回受賞した「立ちアオイ」も、開成町を散歩している際に出会った。眺めれば眺めるほど、安らかな気持ちにさせてくれる厚みある色彩は、生き方そのものを表している。「今が一番幸せ」と夫人が笑みをこぼす通り、幸せを生み出す力をもった日本画家だ。
 

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