東日本大震災3.11から3年 Action of オダワラ 小田原市役所職員被災地レポート【6】 被災地で迎える4年目の3・11 相馬市・西尾優貴さん
私が相馬に派遣された昨年4月から今日に至る1年の間にも、相馬の様子は大きく変わってきたように思います。がれきは片付きつつあり、新たな住宅地の建設などの公共事業は着実に進んできました。復興ボランティアに訪れる人の数は減り、それに代わって被災地を忘れないようにという意識を持った来訪者が増えています。地元の人も、外から来た人も、刻々と変化する状況を感じながら、今後の被災地の進路を模索しているように思います。
相馬での在任中はさまざまな人との出会いがありました。その中で考えさせられたのが「本当の復興とはなにか」ということです。多くの人が震災で大変な経験をしながらも、外から来た私を笑顔で暖かく迎えてくださった。こうした方々が本当に望んでいることは何かと考えてきました。
望むことは人それぞれ違うかもしれませんが、本当に重要な復興とは、「自立する」ことではないか、というのが私の考えたひとつの答えです。
自分たちの暮らしを、自由や楽しさといった豊かさを、自分たちの手で作り出すことこそが本当の復興なのではないかと思い至りました。我々外から来た者ができることは、自立という、本当の復興に向かってのきっかけを与えることなのだと思います。
被災地が今後迎える未来には険しさがあるかもしれません。まだ解決を見ない多くの問題がありながら、自立を支援することは容易ではないからです。我々にできるのは、被災地への関心を失わず、被災者・支援者といった線引きなしに同じ視点に立ち、できることをできる範囲で実践していくことのように思います。私は相馬で得た多くの縁を大切に、これからも震災と向きあっていきたいです。