7月1日に社会福祉法人・小田原市社会福祉協議会の会長に就任した 小野 康夫さん 市内中里在住 71歳
福祉のはじめは笑顔から
○…笑顔の絶えない舵取り役が誕生した。理事在任6年を経て会長に就任。母校の同窓会長や社会福祉法人の理事長という顔も併せ持つゆえ、「最初は尻込みしていてね」と本音をもらした。地区社協や自治会、民生委員との連携が”地域福祉”の要だ。「これまでの人生の集大成。地域に貢献できる最後の機会と思って、一から学ぶつもりで努めたい」と新たなステージに挑む。
〇…大学卒業後、定年まで神奈川県庁に奉職したのは「地域のため、小田原のためになれば」という思いから。最初の赴任地は、地元・小田原。今はない南町の保健所の、なんとものどかな「温泉課」に配属された。トレードマークの長靴となっぱ服(作業服)に身を包み、桶をかついで掘削現場を歩き回った当時を、愉快そうに懐かしむ。また文化財保護課では初めて触れた民俗芸能に、育った土壌の魅力を再認識した。
〇…もうすぐ金婚式を迎える妻とは、「当時は多かった」という小田高生と城内生のカップルだ。出会いは学習塾。勉強を教えていた1つ年下の女子高生とは別々の大学に進学したが、度々一緒に通学するうち、将来の伴侶へと進展した。「明るいところがいいねえ」と、照れる様子もなく笑みを浮かべる。社交ダンスの講師を務める妻の指導で、ともにステップを踏むこともあるが、「センスがないんだ」と一笑。何事にもくよくよしない大らかさがにじみ出る。
〇…わが町も避けては通れない、少子高齢化。「お年寄りが安心して地域の中で過ごせるような環境をつくりたい」と語る。あの日から3年4カ月経った被災地にも思いを寄せる。高齢者や障害者、子どもたち…災害弱者と呼ばれる人たちを「いざ」という時にどうやったら守れるか。「行政の方針も確認しながら、社協としての災害対策はきちんと考えたい」。責任の重さに身構える様子はない。地道な一歩を踏み出した。
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