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建設業 小田原署管内で労災増加 明確な原因分からず

社会

公開:2014年12月13日

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 小田原労働基準監督署(高山博光署長)は12月1日、管内(小田原市・南足柄市・足柄上郡・足柄下郡)の建設業関係団体に対し、文書で労働災害防止対策強化を要請した。こうした要請を行うのは今年初めて。

 2013年に製造や運輸交通などの主要業種で発生した労働災害件数は、神奈川県内12カ所ある労基署のうち小田原を含む3カ所で前年より増加。悪化傾向は今年も歯止めがかからず、とりわけ建設業は10月末時点で前年同時期から倍増している=上表。

 同署によると、建設業における労働災害の多くは脚立やはしごからの転落。マンション建設現場などで多く発生する傾向にある。しかし、高山署長は「小田原周辺では京浜地区のような建設ラッシュはない。増加の明確な要因が分からず、具体的な対策のしようがない」と頭を悩ます。

 一方、ベテラン作業員の減少や工期に対する人手不足により、安全意識の希薄化が進んでいるのは全国的にみられる傾向。2020年の東京五輪に向けたインフラ整備も、都市部への人材流出に拍車をかけているとみられる。

 「時代が違うので必ずしも同じとは言えないが、1964年の五輪開催時も、開催決定から2〜3年間に建設業で労災が増えた」と話す。「増加の要因は不明だが、負傷者が発生している以上看過はできない。現場での安全指導に力を入れる」とし、同署では12月中旬までに職員による一斉指導も行っていくという。

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