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「かもめコンサート若き演奏家シリーズⅥ」に出演する 稲村 麻衣子さん 市内栢山在住 39歳

公開:2015年3月7日

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苦労の分だけ、明日がある

 ○…『5回』。東京藝術大学に挑んだ回数だ。「4回不合格になって挫折を味わった。今思えば、その失敗があったからこそ、夢に向かって邁進できているのかもしれない」。声楽家として、鍛錬を積む毎日だ。

 ○…小田原ゆかりの音楽家に活躍の場を提供する「かもめコンサート若き演奏家シリーズ」に声がかかった。ソプラノリサイタルと題し、日本歌曲やドイツ歌曲、オペラなど11曲を歌いあげる予定。主戦場は東京のため、「地元のイベントにソロとして出るのはひさしぶり。来場者を楽しませたい」と声を弾ませる。

 ○…歌うことが好きな両親のもとで育った。自宅にはカラオケセットがあり、幼い頃からスナックに連れられて一緒に歌うこともしばしば。父は、市内のカラオケ大会で優勝経験を持つ。両親の影響もあり、自然と自身も歌いたいと思うようになった。桜井小3年時に小田原少年少女合唱隊へ。城北中を経て西湘高を卒業するまで在籍。「高校までのすべてを合唱に費やした」という。しかし、大学受験で辛酸を舐めた。当時の国立東京藝術大を志すも、4浪。4度目の不合格時、試験に向け声楽を教えてくれた先生に「あなたがもう1回だけ頑張るなら指導する」と声をかけられ、とめどなく涙がこぼれ落ちた。「やり抜こう」。そう決意し臨んだ5度目の受験で、音楽学部声楽科に合格した。

 ○…大学時代には、音大生が競う『友愛ドイツリートコンクール・学生の部』で1位を獲得。現在は、声楽グループに所属してコンサートを行う傍ら、合唱団の指導にもあたる。音楽以外の楽しみは、同志との食事会。職業柄、「お酒はたしなむ程度」と思いきや「本番を控えていないと遠慮なく」なのだとか。

 ○…近々、アカペラを中心とする新たな団体を知人と立ち上げる。「プロにしかできないものを表現したい。夢は、歌を通して多くの人を幸せにすること」。苦労人のハートは強い。

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