小田原・箱根・湯河原・真鶴版
公開：2015年3月14日
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「『福島かわいそう』『東電ばかやろー』はもう終わりだと思うんだ」。多様な魚種と豊富な水揚げ量を誇った相馬で、高橋永真さんは水産加工業の復活を誓う。
自宅も加工場も津波に流された。18歳の娘はいまだに海が怖くて近寄れないという。仮設に暮らしてまもなく４年。震災当時を振り返ると、放射能に対しては「全くの無知」。原発事故で相馬の魚が扱えなくなるとは予想だにしなかった。
ボランティアに来ていた小田原市民との縁で、震災の年以来、毎年小田原の産業まつりに出店している。現在は週３回の試験操業で揚がる魚を加工・販売する。「『被災者が作っているから、とか、かわいそうだから買う』という商品は残らない」と、安全性は言うまでもなく、味で選ばれる製品づくりに励む毎日だ。
原発事故の影響で居住が制限されている隣町・南相馬を憐れんでいたが、結局「外からみたら『みんな福島』だった」。風評被害はまだ、肌で感じている。それでもまた、相馬の魚を使って商売がしたい。「仕事させて！」。おどけて放った言葉だが、それは決して冗談ではない。
