「第97回全国高校野球選手権大会」で東海大相模高校が優勝。45年ぶりの快挙を影で支えた人々が小田原にいた。伊豆箱根バス(株)小田原営業所の下田和行さん、和田史郎さん、若松義和さんだ。
中でも今年で勤続26年の下田さんは、5年ほど前から同校のバスドライバーを担当し、ナインの足としてチームを支えてきた。
今夏は県大会から学校と球場を往復。選手権には8月2日から帯同し、熱戦の舞台となった甲子園球場をはじめ宿舎、練習場に選手たちを送り届けた。運転を代わり、途中で神奈川に帰ってくることも可能だった下田さんだが、「負けるまで帰ってくる気はなかった」ときっぱり。
自身が運転するバスは選手たちから”下田号”と親しまれ、チームスタッフの一員としてバックアップ。「勝敗に関係なく部員一人ひとりに『いってらっしゃい』『おかえりなさい』という言葉は必ずかけます。これしかできないので」と親心を覗かせた。
歓喜の瞬間はアルプススタンド(応援席)で迎えた。「これまで5年担当してきて今回初めて泣きました。あの子たちが日本一ですよ。いろんな思いが込み上げました」と喜びを語る。
バースデーケーキのプレゼントも
今春の関東大会期間中に誕生日を迎え、チームからケーキが贈られるサプライズも。「たまたま誕生日で」と謙遜するが選手たちと熱く結ばれた信頼の証だ。
決勝戦後にはエースピッチャー・小笠原慎之介君(3年)から「日本一の運転手にできて最高でした」とメールが届いた。それを見る下田さんの横顔も誇らしげだった。
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