農林水産省の安全ポスターデザインで日本農業新聞賞を受賞した 又野 進一さん 市内蓮正寺在住 48歳
農家の『翻訳者』
○…趣味で始めた土いじり。プランターでキュウリやゴーヤから始まり、次第に物足りなくなり土のう袋で玉ねぎや大根を育て、家の裏庭には畑を作るなど年々本格化している。自ら作業をするにつれ「いつもお世話になっている」農家のことに思いが至る。「何か恩返しができないか」との思いで応募したコンテスト。「落選しても自分で配って回ろう。今までにない恰好良いものを作ろう」と奮起し、見事結果を出した。
○…小田原市のダンボールコンポストや、『おんせんにゃんこ』、大磯町の『いそべえ』といったゆるキャラのデザインなど、他にも実績は多数。独立し、デザイン会社の代表を務める今、キャッチコピーなども考えなくてはならない。「業種を超え知人・友人が多い方が視野も広がる」とつながりを重要視。饒舌で屈託のない笑顔の持ち主は、どこにでも友人をつくる。遠征先では考案したキャラクターがきっかけで、初めて出会ったその日に「泊まっていけば」なんて言われることもしばしば。
○…まとまった時間が取れた時には息子と過ごす。小学校3年にして「将来は設計士になる」という息子の話になると、思わず顔がほころぶ。ダムに夢中な息子ら家族で奥多摩や宮ヶ瀬などへ足を運ぶ。「なぜかダムの近くには温泉があるんですね」。愛する息子と大好きな温泉に浸かり、日々の疲れをゆっくりと癒すのが至福の時間だ。
○…「デザイナーはメッセージを代弁し形にする『翻訳者』。良いモノを発信すれば、世の中を変える力だって持っている」と自らの仕事に責任感とプライドをのぞかせる。「この仕事は、手法を教えることはできるが人は創れない。若い人は憧れを持って、やってみようと思うことに踏み出し、やれることを一生懸命にやってほしい」。次世代への想いを口にするが、「負けないけれどね」とニヤリと笑った。
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