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おもちゃへの愛着に処方箋 「買い替える」時代に「直す」人

文化

公開:2016年3月26日

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自宅で修理作業をする柴辻さん。修理が終わるとどこが原因で動かなかったかを紙に書き貼る(写真左)
自宅で修理作業をする柴辻さん。修理が終わるとどこが原因で動かなかったかを紙に書き貼る(写真左)

 市内ではマロニエ、おだぴよ、いずみで開院する「おもちゃ病院」。不安そうな表情の親子に、おもちゃドクターの柴辻宣彦さん(72・城山在住)は「今日はどうされました?」と尋ねる。

 17年間、無料で直してきた数は3000超。電池で動く電車や幼児の乗り物まで持ち込まれるものは多岐に渡るが、「90%以上は直ります」ときっぱり。

 おもちゃなど「何もない」時代に育った柴辻さん。「昔は家で物がいろいろ壊れて。買い直すと高いから何とか直せないかなと思いいじった」。柴辻少年の日常は電気系技術職につながり、退職後の社会貢献にとおもちゃドクターの講習を受けた。

ドクターも思わず笑顔

 ところが、持ち込まれるおもちゃは漠然と「動かない」という事実だけで説明書も回路図もない。本当はその場で直したいが、次の人を待たせてしまうのでカルテを作って預かり、分解して初めて断線や、モーター不具合など原因を突きとめる。部品がなければ都内へ買い出し。修理時は「朝から晩まで格闘技です」

 ネジ、細かい回路、複雑に絡む電動線相手に奮闘。直れば思わず自分も笑顔になる。「おもちゃは子どもの宝物。親や祖父母からもらった愛着もある。壊れたら新しく買う時代だからこそ私のいる意味がある」と時代を逆手に取る。

 訪れた母親は「柴辻さんがいなければ、捨てていたおもちゃ。直してもらいまた遊べるのですごく助かっています」。リモコンで動く自動車を直してもらった男の子は、リモコンを握るとみるみる頬が緩み、夢中に操縦した。柴辻さんは保護者に「乱暴に扱ってもあまり怒らないで下さい。動かなくなったらまた白髪のおじいちゃんが直しますから」と言うこともあり、引き渡し時「また壊れたおもちゃがあったらよろしくお願いします」と笑顔で見送った。

引き取りに来た親子(左)
引き取りに来た親子(左)

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