入札不調で建設工事が延期されている芸術文化創造センターの整備について、事業者から募集していた意見の結果が公表された。示された事業提案は、市がこれ以上積み増しをしないとして提示された70億円の事業予算内で、当初予定していたすべての機能を実現させることは困難であることが明らかになった。市は4月15日の厚生文教常任委員会で市議に報告、整備推進は変わらないとしたが、具体的なスケジュールは示されなかった。
市は昨年末、コスト削減などを目的に設計から施工まで一貫して一事業者が担う手法(デザインビルド)での整備の可能性を探るべく、民間事業者から意見を募集。建設業3社から応募があった(うち1社は途中辞退)。
3月30日にその結果が公表され、2社ともに想定事業費内で基本計画すべてを実現することには困難との見方が示された。そのうえで、「大スタジオをとりやめ、小ホールは必要不可欠の機能やスペックに絞る」(=表のA社)、「ホール機能を優先させ、大スタジオと小ホールのあり方を見直す」(=表のB社)など、規模を縮小して整備する案も併せて提示された。
2社の提案を受けて市は、「基本計画について、すべてを実現するのは難しいという意見だった」ことを認めた。ただ、「規模やスペックを見直せば整備は可能であるという前向きな意見でもある」と説明。今後は市民や関係団体と改めて話し合いを重ねて方針を決定するとしたが、具体的なスケジュールについては示されなかった。そのため、常任委では昨年7月の入札不調から具体的な方向性が定まらないまま10カ月近く経過していることに、「全国的に例がない」と不満の声もあがった。
3選をめざして来月の小田原市長選に立候補を表明している加藤憲一氏は4月16日、支持者を前に「入札不調による難しい状況を乗り越えねばなりません」と芸術文化創造センターについて言及。「個別政策分野に対する具体的補強」の項目の1つに、施設の整備推進を掲げている。
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