20代、30代の女性グループが小田原の街なかを散策する。これまでにあまり行われることのなかった若い女性たちを対象にしたイベントが開催され、市内の魅力が拡散している。
6月11日の昼下がり、市民交流センターUMECOの一室には20〜30代の女性ら15人がいた。市の職員が企画した「小田原ぶらさんぽ」に参加するため、小田原周辺に住んだり、働いたりする人々が集結。3〜4人ほどのグループに分かれ、スイーツイベント「甘味摘み」のチラシや観光パンフレットを片手に、街へ飛び出した。
今回の企画は、発着点が決まっているだけでルートは自由。資料を参考にしながら、2時間かけて各々が気になるスポットを巡った。林ちなつさん(26・中井町)、鈴木優衣子さん(24・秦野市)、米山安美さん(22・大井町)は職場の同僚で、「働いている街なのにあまり知らない」という小田原での新発見を求めて参加した。
一行は、アジサイが咲く城址公園で『小田原城』を眺め、『報徳二宮神社』へ。「楽しく過ごせますように」(米山さん)とお参りして『きんじろうカフェ』と『カフェ小田原柑橘倶楽部』へ。林さんは片浦レモンサイダーに初挑戦。「スッキリしていておいしい」とにっこり笑った。その後、『桶辰』の歴史に触れ、『レロア』でクリームぎっしりのコロネパンを購入。『鱗吉(うろこき)』では「食べたことのない味」(鈴木さん)というじねんじょ棒を頬張り、『籠常』で種類の異なる削り節を食べ比べた。
広がる街の魅力
散策を終えた各グループはなりわい交流館で再会、道中にスマートフォンなどで撮影した写真を参加者で見せ合い、情報交換した。小田原在住の女性からは「住んでいる街なのに知らないところが多かった」という感想も寄せられた。イベント後には、訪れた場所をフェイスブックなどのSNSに投稿した女性もおり、歩いて感じた”街の魅力”が広がっていった。
小田原ガイド協会主催のツアーなどでシニア世代が市内を歩く姿はよく見られるが、若い女性がまちあるきをする企画は珍しい。街づくりの参考にすべく、今回のイベントを考えた市企画政策課の中川あゆみさん(27)は、「定住の側面から20代や30代に小田原の良さを感じてもらえてよかった。観光面も踏まえ、若い女性の情報発信力に期待したい」と話した。市は今回の参加者ニーズをもとに、事業へ活かしていく。
参加した八木香緒理さん(32・湯河原)は、学校や仕事で過ごしてきた小田原で、『清閑亭』やポンデケージョの『グリット』をお気に入りに追加した。「7月に友人が遊びに来るので、今回見つけたお店や場所を紹介したい」
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