NHK杯全国高校放送コンテスト神奈川県大会が6月に開催され、小田原高校放送部と小田原総合ビジネス高校の見上碧音(みかみあまね)さんがそれぞれ全国大会の出場権を獲得した。小田原総合ビジネス高校は、全国高等学校情報処理競技大会神奈川県大会でも優勝を果たした。
社会の裏表を表現
作品規定は8分でオリジナルの脚本。松本文夫顧問が「コンテストで一番の花形」と評す創作テレビドラマ部門に、小田原高校放送部は部長の角石真優子さん(3年)が脚本から編集まで手掛けた作品『FP社』で挑んだ。
作品の舞台は高校。人付き合いが苦手な女生徒の元に、ある日「FP社」と名乗る女性が現れ、周囲に打ち解けられるよう手助けしてくれる。おかげで友達ができ、楽しい生活を送るようになるが、最後には思わぬ結末が待っていた。
「魅力ある宣伝をしていても、実は裏がある会社の存在をニュースで耳にする。そんな社会を表現したかった」と角石さん。静かな校内のシーンを撮影するために早朝の時間帯を利用したり、セリフの間の取り方にも工夫したという。
指導歴15年の松本顧問は「競争率が高い部門で、優勝は一生かかっても無理と思っていた。考えたことを形にできる力がすばらしい」と快挙を称えた。
「心の中を伝えたい」
ビジネス高2年の見上さんはアナウンスの部に出場。昨年に続き2度目の挑戦で2位を勝ち取った。
「校内放送で流す内容」をテーマに、1分30秒の作品に思いを込める―。見上さんが取り上げたのは、敬虔なクリスチャンでもある、自身の担任教諭。人間性や、もの静かだが熱い思いを秘めた人柄を文字に託し、声に乗せた。
思いを書く、話すなど、自分を表現することが好きな見上さん。中学生活の2年間で生徒会に所属し、大勢の人の前で話す経験を培った。
初めて挑む全国大会に「貴重な経験を楽しみつつ、できるところまで頑張りたい。技術より、自分が伝えたい”心の中”が人に届くようにしたいです」と爽やかな笑顔をみせた。
7月26日(火)、舞台は渋谷区のオリンピックセンターで開幕する。
正確さとスピードで勝負
同校コンピューター部の4人は、情報処理能力を競う大会で、2年連続の団体優勝を果たした。今月24日(日)の全国大会に向け過去問題に挑戦中だが、情報処理1級の資格を持つ4人でも「まったく歯が立たない」と苦笑する。
「保育士」(石黒君)、「SE」(佐藤君)、「人に感動を与えられる人」(小林君)、「地元の電気会社」(大森君)と、夢はさまざまな4人がマウスを手に戦う。