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学校代表として戦う誇り 特別支援学級のスポーツ大会

教育

公開:2016年9月24日

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真剣勝負が繰り広げられた会場
真剣勝負が繰り広げられた会場

 リオパラリンピックで日本代表が銀メダルを獲得した「ボッチャ」。運動機能に重い障害のある人向けに考案され、「地上のカーリング」とも呼ばれるボールを使った競技の大会が小田原市内でも行われた。選手は市内の中学校に通う特別支援学級の生徒たちだ。

 9月16日、小田原アリーナで開催された「特別支援学級スポーツ交流大会」。今年で10回目を数える大会に、小田原市と湯河原町にある11中学校の同学級に在籍する生徒95人が出場した。

 当日は学校対抗で競われ、予選リーグを経て行われた決勝トーナメントを千代中学校が制して優勝。試合後には互いの健闘をたたえ、握手を交わす姿が見られた。

    *     *

 情緒障害者や身体障害者、病弱児などの生徒を対象に、よりきめ細やかな支援や指導を行う特別支援学級。小中学校などに設置されており、義務標準法によって定員は1クラス8人と定められている。修学旅行や運動会などの行事は通常学級の生徒と一緒に取り組んでいるが、学校生活のほとんどは別に設けられた教室で過ごすため、ごく限られた集団との関わり合いしかない。

 そんな背景を受けて10年前から開催されている同大会は、大きな集団でスポーツを楽しみながら、他校の生徒とも交流できる貴重な機会。個々に支援を必要とするため、部活動に参加する生徒が少ないなか、「学校の代表として他校と競いあうことで、級友らと一致団結するきっかけにもなっている」と実行委員長を務める橘中学校教諭の市川泉さん(60)。敗れたチームが「来年の参考のために試合を観ておこう」と積極的に観戦する生徒の姿があったように、大会の存在が生徒らの活動の励みにもなっているという。

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 生徒個々のレベルに応じた指導を行う特別支援学級。「それまで通常学級では引っ込み思案だった生徒が、自信を得たことで周囲を引っ張る存在になることもある。少人数制ならではの教育により、生徒のもつ小さな可能性も見つけやすい」と語る市川さん。

 一方、世界各国と比較すると、障害者と健常者が共生する「多様性」について、日本は遅れ気味であると指摘。「障害の有無に関わらず、同じ空間で学べるようになることが最終的な目標」と持論を述べる。今夏に相模原の障害者施設で発生した殺傷事件を例にあげ、「難しい計算式が解けるようになることではなく、多様な人格を認めあえる社会を築くことこそ、今の教育に求められているのではないか」と話した。

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