法学部の学生が通う関東学院大学小田原キャンパスが横浜へ移転するまで、あと5カ月を切った。新たに小田原へ移転してくる同大学の「材料・表面工学研究所」の受け入れも含め、着々と準備が進んでいる。
6月23日、市教育総務課から市内の小・中学校や幼稚園へ一斉にメールが送られた。関東学院大からの机や椅子の寄贈に際し、「必要な学校はありますか?」と。一部の机が老朽化していた鴨宮中はその呼びかけに手を挙げ、3人用の長机77台と2人用18台をもらった。「本当に助かった。できれば机を新しいものに替えたいという話が出ていたので」と高松宗教頭(53)は話し、机は8月に同校へ搬入。脚が折れて補強していたものや、表面が剥げていたものと入れ替えた。夏休み明けから音楽室や視聴覚室などで使用され、生徒からは「新しい机になってうれしい」と喜びの声が聞こえてきた。
小田原キャンパスが横浜へ移転するにあたり、今年の1年生はひと足先に金沢八景キャンパスで学びをスタート。小田原では1学年分の学生が減って630人ほどとなったため、机240台と椅子304脚、ロッカー6台などを、市内の小・中学校30校と幼稚園3園へ寄贈した。
研究所受け入れも万全
キャンパス内では、来年4月に法学部学生に代わって横浜からやってくる材料・表面工学研究所の開設に向け、環境を整備している。研究所が使う4〜6号館の一部は、8月から改修工事に着手。授業とのスケジュール調整をしながら、来年3月までに仕上げていく。
寄贈に対し、市から大学へ感謝状が贈られた11月1日、学校法人関東学院・増田日出雄理事長(77)の口から新たな構想が飛び出した。研究所以外の活用について、「子どもたちが英語漬けの生活を送る”英語村”をつくりたい」。5〜7日の滞在を可能にする簡易的な宿泊施設も整え、関東学院グループの小・中・高校生がネイティブの先生と英語を学ぶ。地域貢献を見据え、「市内の子どもも参加できれば」と語った。
同研究所は、車のバンパーに用いるメッキ技術などを開発。4月の移転に向け、「環境面でも排水を出さない態勢が整った」と増田理事長。26年の歴史に幕を閉じるキャンパスが、新たな顔を見せようとしている。
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