各地で起こる待機児童問題に対し、小田原市内では保育の受け皿を拡大する動きが見られる。4月1日には、「企業主導型保育」と「小規模保育」を合わせて5カ所が新たにオープンした。
大型商業施設・ダイナシティの一角に、子どもたちの元気な声が響き渡る。(株)ダイナシティがウエスト4階に開園した『ダイナシティ保育園』では、さっそく日曜日の2日から受け入れがスタート。0歳から就学前までの32人が通い、泣き、笑い、走り回っている。
ダイナシティは、内閣府の「企業主導型保育事業」の助成制度を活用し、テナントの人材確保と地域貢献を目的に保育園を設置。”企業枠”と”地域枠”を設け、館内で働くスタッフの子ども18人と、近隣地域の14人が入園した。アパレルショップ勤務の遠藤杏梨さん(23)は、自身の出退勤に合わせて娘を預けられると申し込み。自宅がある湯河原町内の保育園に入れば、送迎に要する時間だけ労働が短くなってしまう。「自分の働く場所なら勤務時間も最大限確保できる。子どもが熱を出しても、すぐに駆けつけられるので安心」と話す。
認可外のダイナシティ保育園は、土日・祝日も含めて休館日以外は開園する。朝8時から夜は9時まで対応し、「働き方に合わせて利用できるのが特長」と土屋今日子園長(60)。保護者からは、「11時間以内なら延長保育料がかからないのがいい」、「認定保育園に入れなかったから」といった声が聞こえてきた。
0〜2歳児は小規模で対応
小田原市の待機児童は、昨年10月1日時点で90人。うち88%が0〜2歳児だ。市は現状打開へ、定員19人以下で3歳未満を対象とした「小規模保育事業」の整備を進めてきた。整備・運営を任せる企業や団体を公募し、飯田岡や成田など4カ所で今月1日に開園した。マンションの一室を改修した『ぎんがむら保育園』(城山)は、子育て支援センターを運営する(有)ぎんが邑が手がけ、「保育園に入れないとお母さんたちから聞いていたので手をあげました」(川本桂子園長)
5カ所の同時開園で、受け皿は広がった。市保育課の前島正副課長(51)は「施設数で言うとここ数年で最大の増加」としつつ、「今後も状況を見ながら対応していきたい」と話した。
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