県産業労働局は6月15日、新たなビジネス創出につながる「地域産業資源」として、8品目を追加指定すると発表した。新規指定品目の中には、小田原市からアブラボウズ、足柄牛、小田原城下の酒蔵、湘南海岸が加わった。
地域産業資源とは、自治体の推薦に基づき県が指定する地域ならではの風景地、地域の特産物としてよく認識されている農林水産物や鉱工業品、またその生産技術など。地域産業資源の指定は定期的ではなく、おおむね年1回程度。審査は推薦書をもとに、事業化の可能性の有無、地域での認知度、推薦品目の歴史的、文化的背景などを鑑みながら行う。
県は、地域産業資源を活用して新商品・新サービスの開発・生産を行い、需要を開拓する中小企業等を計画策定から事業化達成までを支援する制度を設け、2007年から行っている。
今回の追加指定で地域産業資源は、162品目になった。過去には小田原市では漆器、木製品、提灯、鋳物、寄木細工、梅干し、いかの塩辛、かまぼこ、湘南ゴールド、片浦レモン、小田原どんなどが既に指定されている。今回の新規指定を含め、小田原市に関連のある地域産業資源は全34品目になった。
おしつけとアブラボウズ
今回新たに加わった「アブラボウズ」は、小田原市内や周辺地域では「オシツケ」の名で親しまれているカサゴ目ギンダラ科の魚。深海に生息するため、脂肪分が多い。
これまでの指定品目の中に「おしつけ」がある。係わりがある地域として、小田原市、南足柄市、松田町、大井町、開成町、山北町と記されている。これについて県産業労働局中小企業支援課は「『おしつけ』を指定しているのは料理名として。該当地域で食べられてきたという歴史がある」と説明。漁獲地域は相模湾に面する小田原市等だが、周辺地域で食文化を形成した文化的な側面を伝えることができるという観点から、「おしつけ」を地域産業資源に指定したという。今回の新規指定の対象は、その原材料である魚で、係る地域としては小田原市、三浦市が記載されている。
県は地域産業資源を指定することで、これを事業化するとともに、新サービス、新商品などによる地域の活性化がねらい。「特定企業の商品の指定は難しいが、落とすことが目的ではない。審査のうえ、できるだけ多くのものを指定し、地域の活性化になっていけば」と話した。
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