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インターハイの軌跡(後) 来年へ光 2位、2位、2位 相洋高陸上部

スポーツ

公開:2017年8月26日

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 南東北を舞台に熱戦が繰り広げられた全国高校総体(インターハイ)に、小田原からも多くの選手が出場。山形県天童市で7月29日〜8月2日に行われた陸上競技では、相洋勢が銀メダルを3個獲得した。

 相洋高陸上部が、今年も優勝争いに加わった。主力は1・2年生。来年以降に向けて、明るい光がチームを照らした。

 400mのメルドラム・アラン君(2年)は、大舞台でもマイペースを崩さない。「いつも通り、焦らず」。普段の練習から考えながら取り組む182cmのスプリンターは、予選、準決勝を突破し決勝へ。大きなストライドで中盤からぐんぐん加速し、2番目に最終コーナーを抜ける。「追いつけそうで追いつけなかった」と最後の粘りも届かず2位でゴールした。2年生ながら全国2位。「自分でもびっくり。やったー」とおどけるも、優勝した森周志君(北海道栄高)が同じ2年だったことを知ると驚きを見せた。「3年生だと思っていたので…。意識はしないけれど、やっぱり負けたくないのかなぁ」。ライバルを認識したメルドラム君だが、「考えすぎると走るのに邪魔。来年もがんばります」と淡々と話した。

高1歴代最高

 1年生で全国にやってきた800mのクレイ・アーロン・竜波君(1年)は、鮮烈なインターハイデビューを飾る。1分53秒99の自己ベストを、予選でも、準決勝でも更新。さらに記録を伸ばした決勝は、大会前に磨いてきたラストスパートで上級生を次々とかわして2位に。1分50秒67。高校1年生の歴代最高記録を28年ぶりに塗り替えた。額に汗をにじませながら、「すごいですね」と笑顔を見せたクレイ君だが、浮かれる様子はない。「1番我慢した人が勝てる種目。我慢したけど、それよりも我慢した人がいた」と悔しさが同居した。「全国制覇を狙ってまた練習していきたい」

 女子では、4×400mリレーで会場を沸かせた。4連覇した東大阪大敬愛高に、1・2年で挑んだ相洋が3走の途中までリード。終盤は女王が強さを見せたが、相洋は順位をそのままキープして準優勝した。

 3走で首位を譲った田井遥さん(2年)は泣いた。「あっさり抜かれて自分の実力不足」。田井さんが肩を落とす一方で、他のメンバーは手応えも掴んだ。アンカーの高島菜都美さん(2年)が「来年優勝するためのレースができた」と言えば、妹の咲季さん(1年)や合田陽菜さん(2年)は「来年は絶対優勝します」と言葉に力を込めた。

伝統つないだ3年生

 インターハイで下級生が躍進した背景には、強豪校の伝統をつないできた3年生の存在がある。

 女子唯一の3年生としてチームを牽引した竹内花梨さんは、4×100mリレーで自身初の全国大会を駆け抜けた。「先輩から継いだ伝統を壊さないようにやってきた」と決勝に進めず涙がとまらない竹内さん。それでも全国の舞台を「楽しかった」と振り返った。男子4×400mリレーの飯田健人君や米川航君も、意地の走りで4位入賞に貢献。「自分たちは強くなかったけれど、後輩たちは強い」と飯田君は話し、米川君は「今後はサポートしてあげたい」と想いを託す。

 将棋の駒づくり日本一の天童市で、1・2年生が掴んだ銀メダル3つ。来年の日本一へ、王手はかけた。

山内滉士郎君(旭丘3年)悔しさで得た夢への覚悟

 「まったく歯が立たない、ボロ負けです」。3000m障害で旭丘高陸上部初のインターハイ出場を成し遂げた山内滉士郎君(3年)は、レース後潔くこう振り返った。

 県、南関東と自己ベストを塗り替え、勢いに乗っていた。序盤からイーブンペースを刻み、ラスト1000mから出る展開を想定し「決勝には残れるだろう」。だが全国の壁は想像よりはるかに高かった。集団での駆け引きに呑まれ、後半勝負するだけの気力も走力も残せず失速。9分21秒02とベストを上回れず、予選で姿を消した。

 レース後、強豪校の練習内容を聞き、痛感した力の差。「量も質も違う。このままでは通用しない」。箱根路を駆ける夢のため、インターハイで得たのは”覚悟”。完敗、ここが新たなスタートラインだ。

牧野莉花さん(城北工3年)恩師を最後の大舞台へ

 「出場選手が多い分、これまで出場した大会よりもピリピリ感があった」。どんな大舞台にも物怖じしないタイプだが、高校スポーツ最高峰の大会とあって、無意識ながらも平常心が失われた部分があったのだろうか。「いつもの記録が全然でない。周りの雰囲気に負けてしまったのかな」としんみり。ハンマー投げで自己ベストに約3m及ばす、41m98で31位に終わった。

 だが、大きな成果もある。今年度で定年退職を迎える顧問の鈴木充教諭を、最後のインターハイへ連れていけたことだ。秘めた才能を見抜いて陸上部へと誘った鈴木教諭は、「やっぱり特別な雰囲気があった。ごくろうさんとしか言いようがないです」。

4×400mリレーのメンバー
4×400mリレーのメンバー
飯田君から米川君へ3年生リレー
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女子主将の竹内さん
女子主将の竹内さん
山内滉士郎君(旭丘3年)
山内滉士郎君(旭丘3年)
牧野莉花さん(城北工3年・右)と鈴木充教諭(左)
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