モノづくりに関わる事業者ら9人による異業種グループ「出張まち工場」。子どもたちにモノづくりの楽しさを伝える活動の幅を広げようと、昨春から準備を進めてきた「出張カー」がいよいよ完成した。7月末には北陸地方に出かけるなど、早速その力を発揮し始めている。
「地元の人を雇用し、活躍の場を提供するのは企業として大事なこと。それ以外にも町工場として地域に貢献できないだろうか」
2014年春。金属プレス加工を手掛ける(有)川田製作所(市内中新田)の川田俊介副社長は、地域における町工場の在り方を模索していた。そんななか目に付けたのが、「会社で導入したが、仕事で使い道はあまりなかった」という3Dプリンター。知人のグラフィックデザイナーの協力を得て、「出張まち工場」として上府中公園で開催されているクラフト市「カミイチ」へ出店した。すると世間で話題だったこともあって、子どもたちの人気の的に。「モノづくりの楽しさを教えたい」と企画した第一歩は成功し、以降も定期的に出店を続けながら小学生対象のワークショップも各所で開催した。
思わぬ副産物もあった。群がる人の輪には大人の姿も多く、建築設計士やガラス加工職人など、普段交流のない人との出会いの場ともなった。「モノづくりという共通の興味があるから、すぐ打ち解けられる」。意気投合し、ともに活動するメンバーも自然と増えた。
町工場を身近に感じて
3Dプリンターで描いたイラストを立体化させるストラップ作りに加え、レーザーカッターによる紙飛行機作り、金型を使ったマネークリップ作りなど。活動内容が多様になる一方、精密機器を扱うため移動が困難なのが課題だった。
そこで、川田さんが所有するキャンピングカーを改装した「出張カー」を作る案が浮上。インターネットを通じて賛同者から資金を募るクラウドファンディングを利用し、全国から集まった62万9000円を元手に塗装などを施して出張カーが誕生した。
8月初めには資金提供者への御礼を兼ねて北陸へ出張。市内でも企業主催のイベントに招かれ、「ユニークで珍しい企画になる」と主催者からも好評だ。今後は病気で外出できない子どものために、病院への出張も検討したいという。
川田さんは「町工場は市民の身近にありながらも遠い存在だと思う。どんな仕事をしているのか知ってもらう機会にもなれば」と期待を込めた。
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