2017年「大相撲地方巡業・小田原場所」が8月25日、10年ぶりに小田原アリーナで開催され、約6000人の観客でにぎわった。
午前8時の開場後、まず行われたのが力士たちの公開稽古。力士たちが何度もぶつかり合う姿に会場は熱気に包まれた。
巡業恒例のちびっこ相撲には、9回の練習を積んだ95人の子どもたちが参加。大勢で飛びかかる子どもたちに「頑張れ!」と声援が送られていた。ちびっこ相撲に参加した、家一番の相撲好きという大友ひよりさん(富水小1年)は嘉風、正代、御嶽海のファン。「重くて全然動かなかった。いつか両国に観戦に行きたい」と語った。子どもたちを指導した岸田光弘さん(金太郎相撲連盟/旭丘高相撲部監督)は、「子どもたちはとてもいい顔。一生に一度の思い出になったのでは」と話した。
その後、初切や相撲甚句、櫓太鼓演奏も行われ、時折笑いも起こるなど観客は大いに沸いた。午後には力士の土俵入りや取組が行われ、大きな声援が会場いっぱいに響いていた。
勧進元の(一社)小田原城下町理事長・杉崎尚人さんは関係者や来場者にお礼のあいさつを述べた後、「来年も再来年も開催していきたい」と力を込めた。
土俵下の最前列で観戦した扇町在住・大谷宏さん(76)は「大相撲の大ファン。力士を目の前で見られて本当にうれしい。小田原を元気にするために、これからも続けていってほしい」と興奮した様子で話した。
荻窪在住のイシュドバン・ヴォルガさん(37)は、妻と3人の子どもを連れて来場。ハンガリーから来日して14年、初めて相撲を観戦した。母国でも本場所のハイライト映像を見ていたというヴォルガさんは「迫力があって面白かった。また見たい」と笑顔を見せた。同じく初めて観戦したという蓮正寺在住の女性(75)は「テレビで観るのと違って、やっぱり迫力が違うわね」と興奮気味。一方で、「2階席は手すりがないので、足の悪い人にとっては危ないと感じた」と会場への注文を付けた。