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北ノ窪在住笹本順さん 祖父の形見で掴んだ優勝 琵琶楽全国大会

文化

公開:2017年9月30日

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祖父の琵琶と賞状を手に笑顔の笹本さん
祖父の琵琶と賞状を手に笑顔の笹本さん

 全国の琵琶楽奏者が競う「第54回琵琶楽コンクール」(日本琵琶楽協会主催)が9月10日、東京証券会館ホールで行われ、市内北ノ窪在住の笹本晧水(こうすい)さん(本名/笹本順・65)が優勝した。

 1964年から続く同コンクール。全国からさまざまな流派の奏者たちが年1度、腕を競い合う。今年は予選を通過した25人が本選に出場。笹本さんは、織田信長が明智光秀の謀反に遭う情景をうたった琵琶曲「本能寺」で挑んだ。

 家に祖父が遺してくれた琵琶はあったが、本業は鎌倉彫の職人。触れることはあっても音を奏でることはなかった。14年前、知人で錦心流琵琶全国一水会所属の水野森水さんに誘われ、森中志水師匠のもとで薩摩琵琶を学び始めた。改めて祖父の琵琶を弾いてみると「何ともいえない音に魅せられた」。以降、仕事の合間をぬって教室へ通った。

 9年前に一度、同コンクールに出場するも結果を残せず、悔しい思いをしたことが。「もう出ることはない」。そう思っていたが、周囲の勧めもあり一念発起。「出るからには1位になりたい」。まず、協会誌で過去の大会審査員評を熟読。「姿勢を正しく」「楽譜を目で追わない」などのコメントを参考に、自らの姿勢や演奏を修正、練習に励んだ。本選では眼鏡を外し、譜面を暗唱して勝負。「覚えるのが一番大変だった。でも、とにかくできるところまでやった」。その自信から、緊張せず満足な演奏はできたが「1位とは思わず、のけぞるほどびっくりした」とその瞬間を振り返った。

 笹本さんは日本琵琶楽協会賞のほか、文部科学大臣賞、日本放送協会会長賞も受賞。「祖父が遺してくれた琵琶と撥(ばち)があったから優勝できた。兄弟子の水野さんと一緒に地域の琵琶楽普及に努めたい」と語った。

 笹本さんは11月29日(水)に放送されるNHKFM「邦楽の時間」に出演する予定。
 

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